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がらくた拾い。改め、名を「フラン」
ぼろきれを纏い、背嚢を背負う鼠耳の人間。
名は菓子の名前、いつか自分の名と同じものを食べられるように
その名に愛するひとの祈りを込めて
愛するひとが付けた名前、子鼠は名乗る
およそ人の子の背丈くらい、140cmに足らぬほど
いつも赤毛に帽子の人物に寄り添う姿
奪うも殺すも大嫌いで、怪我はなくすこし身綺麗
願うのは、おれもおまえも自由に在ること
好きにやって構わないから、好きにさせてくれと
だから、害のないひとはきらいじゃない
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背嚢の中には水と、食べ物
それから燐寸、ゴーグル、テープレコーダー
胸の内には、関わった人たちの願い
それから、皆の名前をありったけ
願うことは、皆が好きにやれること
共謀者たちへ、全ての企みが叶いますように
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疑わなきゃ、こんな場所で生きられない。
オレは人が好きだったけど、疑ってなきゃオレが死ぬ。
だから心を動かさないで、がらくたの山にだけ向き合うんだ。
人に関わらなきゃ、どうも感じない。
がらくたの山は感情を返さない。
オレはそういうものだった。