「犬と争っていたらもう本格的に獣の類じゃないか……」
「ほにゃららの君No nameさんは正しい。コレは完全に押し付けられているね」

「変なのをどこかが引き取ってくれるならなんでもいいけどさ」
「よくもまあそんないない奴の話題で盛り上がれるもんだ」

「いや、面と向かって話できる自信もねえけど……」

「ほにゃらら」「あ、わたしか」
「どこに押し付けても、結果は同じかも」

『頭の剣あれで調整していたらしい。』
頭に刺さっている包丁を回すように。
真似するジェスチャー。

「誰も何も言わないよりは良いんじゃない……」
「……静かなのも嫌いじゃないが……」

｢場所でヒトが変わるワケでも…｣
｢あ、変わんの？｣

頭のネジ的な？

「ここに押し付けられてもなぁ…」
「…って、チュエさんだ。こんにちは」

知り合いを見かけて手を振った。

「あ、ほにゃららってそういう」

やっと理解した

『人目は気にする、理性はあった。そういうことだよ。』

「やはり彼剣刺さりの本体ってあの包丁なのでは？」
根も葉もない話。

「追いかけられたこと」「まだ恨んでる」
(怒こ)

「変な奴に対して何も言わない方が」
「総合的には平和だぜ」「波及しないから」

「ああ夢斗くん、こんにちは。
　まだ雨降ってるから風邪ひかないようにね。
　俺は体調崩しかけたよ」

「そう、君。仮の呼び名として『ほにゃらら』と呼称させてもらった」
「包丁で性格を調整できるものなのか？……なんか、素直に怖いな……」

「ばしょに　よって、ようす　ちがう？」

「こわい」

｢業の不思議の1つかもな｣

「ん、呼び名が」「増えたっ」
「やったね」
嬉しそうである

「刃の彼は……まぁ、恨みを買いやすい人だろうね……」
「本当に不思議な人だ、世が世ならオカルト話になっていそうだ。」

「ほうちょう　さん、みんな　きになる？」
「おぼえて　おこ」

「嬉しそうにされるとこんな名付けで良かったのかと不安になるね……」
「兎にも角にも喜んでくれたなら何よりだよ。仮の呼称ではあるけれどね」

「包丁の彼は……まぁ、総評としては要注意と言った感じだね」

「総合的に平和に過ごせるならそれで良いかな……」
「……まあ触らぬ物に祟りなしで」

「埋まっている者を掘り返すほど、意味のないこともないでしょう」

「……もっとも、意味が無いからこそ、やる者もいるでしょうが」

「異常な人間として大勢の記憶に残るの」
「哀れと言うか、それはそれで羨ましいというか……」

「梟首会において治安や件の人の冷静さが保たれるなら、
　此処に逃げ込むのもいいだろうさ」

｢さーて、愛しのMetroでも見に行きますかねェー｣

「平和…………」「比類なき、喪われた価値」

『ここに来たら多少はおとなしいから。』

「いみがない　からこそ　やる」

「……へー……」

手を組んで、うーんと考える仕草。

「名前、あると嬉しい」「そゆこと」
そゆこと
「Metroで、自由にさせるのが」「いいのかも？」

「なまえ　いいですね！」
「ほにゃららで　いいかは　ちょっと　うーん」

発端。

「わたしは、いいよ」
「どうであれ」「嬉しい」

「仮の呼称でもあるだけで歓喜の一つになる。
　そう言った意味合いだと受け取らせてもらうよ」

ほにゃららでいいか、はこちらも悩む仕草。呼称第一人者。

「少なくとも今のところ、彼は梟首会ここで横暴する気はないようだからね」
「触らぬ神に祟りなし。大人しいならそのままでいさせるのが吉だ」

「そうです　か！」
「なら　よかった　です！」

「曙光は皆が皆あらゆる嗜好を網羅してるわけじゃないから」
「本当に変な奴はなるべく他んとこにいてほしいもんだね」

「名前なんて自分で好きに名乗って良いと思うけど」
「誰かに名付けてもらうからいいの、分かる話か」

名前と聞いて、そういえばまだ誰にも……、となったがまあいいかとなる。
伸びを一つ。

「ん、そういう」「こと」
「呼び名は、意味をくれるから」

「…………」

「名さえあれば墓にも刻める。」
「死んだとして、塵に埋まったとしても……存在を覚えていられる。いいことだ。」

「どこも一応空気感はあるんだな……」

剣どうなったんだろうなぁ、今頃出土して暴れてそうだなぁ。
確認するすべは今ない。

「梟首会が秩序を重んじるように、他も何かを重んじてるんだろう」
「多数の人が集まる限り空気感というものは作られるものだよ」

「兎にも角にも、これで名無し達の故障問題は解決だね」

「曙光は享楽の場、って言うのは言わずともわかるだろうけど」

「全員が趣味を同じくしてるわけじゃないからね、
　そういうときは不干渉か、業が深い方の思いのままになる。
　その点で言えばある程度秩序が保たれてると言えよう」

「お互い体調には気を付けようね…」

ここは雨続きだし余計にね。
危なそうな人は不干渉が安牌かな。様子見しとこう。

「不干渉か、より強い力による圧殺か。潔くて曙光らしい」
「自己秩序か他者秩序か、という違いはあれど確かに秩序だ」

「ああ……趣味に没頭している時……
　干渉されない程度の秩序はあるのか……」

享楽を重視するならそうなるのも納得が行く。

「後はそれが己に合うか合わないか……か……」

「しゅみ　ぼっとう　ふかんしょう」

「わるいとこでは　ない？」

「曙光ってちゃんと秩序があるんだ、少し意外だが……ならよかった。」
「この後行く用事があったんだ、変なものを見ずに済みそうかな。」
曙光にどんな印象を持ってたんだこいつ。

「

「障害全てを圧殺できる力を持っているなら、
　きっと曙光も悪いところでは無いんだろうね」

「何処も結局は……おなじ」

「ハハ！梟好みの秩序じゃないだろうけどな。
　METROと違って、奪うことばかり考えてるわけでもない」

「業も欲も深い奴や、暗黙を解する奴は、
　混沌の側だろうとただ弱かろうと歓迎されるぜ」
「ただ力を磨いて生きやすいのは地下鉄の管轄っしょ」

「まあ……人が居て真に無秩序は逆に難しいんじゃないか……」

「ある意味、どこも不干渉ですよ。
違うのは、それを何と呼ぶかだけでしょう」

「秩序と呼ぶ者もいれば、享楽と呼ぶ者もいる」
自由と呼ぶ者も、ね。

「……どれも、干渉しないことの言い換えに過ぎませんよ」

「…秩序の話？これ」せこせこと塵芥を積み上げる作業を一区切り付け、休憩がてらやってくる。
離れすぎず近づきすぎずな位置に座った。

「……よその雰囲気やら、総合的な秩序の話かもな……」
「好きに解釈して良い……」

「秩序の話かも。ここ梟首会にはぴったり話題ではないかい？」

「それぞれの場所における秩序の話、なのかな」
「適当な雑談だから気負いしないで良いものだよ」

『しかし、一番安全なのはやはりここだろうな。』

「それもそうだ。余程の事がないなら喧嘩も吹っ掛けられないわけだし」肩の力を抜いて静観することにした
「よその雰囲気ねぇ。…まだ他の場所行ってないな…」

「監視員もこういう話題なら口を挟まないだろう」

「"此処"が一番マトモだという証明になる」
「マトモな奴だけ、此処に残るとも言えよう」

「安全、なのかな」
「のほほんとは」「してるかも」

「多少酷にはなるが、秩序と平和は安全と必ず結びつくとは限らない」
「安全であると断言は出来ないけど……穏やかであるとは言えるかもね」

「監視されてる分窮屈だけど、穏やかな感じなのは悪くないかな…」

さてもう少し動いてみようかと
伸びをした後立ち上がってその辺に歩いて行った。

「マトモな人間なんてこの世界にどれだけいるかわからないだろうけど。」
「こんな世界だ、気狂いの方が大多数じゃないかな。実際業雨が降ったのはここだし。」

『メトロは…………鼠帝国。曙光は、なんかごちゃごちゃ。』
ふんわりとした感想を紙に。

「業雨で人が増えるとしても……まあ然程空気は変わらないだろう……」
「主体性が無くてもやることはある……ここは良い所だと俺は思う……」

「そもそも様子のおかしい人は居られないのがここだからね」
「秩序的で穏やかで平和。酷く窮屈なことを除けば良い場所だよ」

「ああ、だから」
「曙光やMETROの方が合う気狂いがこんなところにいたら、
　梟どもも早く去ってほしいって思うだろ？」

「観光だけなら曙光は本当にいいところだぜ」
「居合わせた暁には案内でもしようか」

「鼠の国ねぇ。響きがいいね、今度寄ってみようかな」

「いいところ」「だけど、スリには気をつけて」

「ふぅん、観光だけなら。気が向いた時にでも行ってみよう」
「平穏に浸かるのは良いけど、慣れるのは些か考えものだからね」

さて、と一つ息を吐いて地を見れば塵芥をかき集め始めた。

「METRO、まだ立ち行ったことなかったな」
「占いがどうとか、医療がどうとか言えないから、
　もしかしたら梟以上に合わない奴が多い気もするが」

「ま、今日は寄ってみるのもいいかね」

「……確かに、気狂いはここに留まるよりおいだされているだろうね。」
「そうだな、曙光にチョコミントアイスがある場所を知っているなら、案内をお願いしたい。」
この世界に似合わない単語、チョコミント。

「わぁー。」
そこら辺を歩いている。

「見知った顔がーいっぱいかもー。一期一会ー。」

「ん、見たことある人」
「こんにちは、ってやつだよ」

ふらふらとやって来て 様々を漁っては
塵芥をこねている…

「おや」
「……あぁ、負けてしまった。なるほど、これが相克。」
初相克を体験した様子。負けたようだけど。

「此処はええ所やで。
お兄さん生まれも育ちも此処でな〜」

『そういえばなにも店、見てなかった。』
知り合いが埋められて、見届けて満足しただけだったなと。

「住めば都ってやつだな、何事も」

「育ちが後から曙光になった人間としちゃ、
　いい所って他人事のように言う事しかできないが」
「ガキが安心して遊べるのはイイコトじゃね、本当に」

『最近、流れついたよそ者だから居座る場所を決めかねていてね。』
『でも、このまま思い立った時にふらつくのもありかも。』

何か丸いものをうっとりと見つめてはそれを燃やした…
彼の周りが少し焦げ臭いかも。

「うーす」

* ゴミ袋を担いで。
* 仕事終わりのすれ違いざまの挨拶。

「曙光は美味い酒が飲める」
「運が良けりゃだけど…」

* それだけ言ってまた捨てに行く。

元気に燃やしているな、うんうんと頷く。

何燃やしてるんだろ、あれ……

｢…なっ、お、俺のだぞ…！｣
視線に気づくと灰やらなんやらを自分の方へ寄せている…

ここでは勝負以外で奪われることなどあまりないのに。

「うーん」
手の中には貴石が二つと金具が一つ。そして骨牌が一枚。
「うん、流石に多いな。そろそろ燃やしに行こう。」

「大丈夫」「わたしは、盗らないから」
他の人は知らない……

「スリなんてここじゃ滅多に起きないんじゃないのかい？METROじゃあるまいし。」
「まぁ気持ちはわかるけどね……」

『私も盗らない。』
そもそも法が居座るここでそんなことしたら、どうなるんだろうね。

「かるた　じゃま　つかいたい　です」

すっと掲げる。柄はみせないけれど。

｢奪わないならいいが…｣
｢METOROは正直怖い
でも薬が高く売れるんだよな…｣

「やだなぁ怖い」怖い。

「！　みおぼえ　ない　ひとたち」
「こんにち　は」

ぼーっとしていて気がつかなかった。
あいさつ。

『あそこは、今鼠帝国だ。』
かりかり。

「こんにちはぁ。」

「んー、どーして一気にねずみ耳の人増えたんだろーねぇ。」

｢鼠なんかヤダヤダ。
一匹ぐらいなら軽く相手できそうだが…大勢にたかられちゃあたまったもんじゃねえ｣

「確かにMETROではよくネズミの方を見かけるね。」
「他の場所では見ないのが少し不思議だ。」

「……」

適当に使う先を見定めるため、じーっと周りを見回している。

「…ここじゃ変な事する前に
　監視員にとっ捕まるだろうね」

* パン、パン。
* 手を払いながら戻ってくる。

「……………………」

かりかり。
『そこの君。なら私とやらないかい？』