「んーなんか、ゴジュウ人いるくらい賑やかな人だったよー！」
ニコニコで説明す

『ちなみに今大体780ぐらいだ。頑張った。』
げっそりしている。

「あの頭に刺さってる刃物抜きたなるよな」

「フゥン。勝手に住んだらいーのニ」

変なの。首をひねった。
定住したくない理由でもあるのかなあ。

「METROがンな過激集団なら梟なり黄金虫がお掃除してんじゃネ……？？」

流石にそんな危険区域ではない。

「此処に居た時は、わりと……正気寄りだったはず」

「何お前そこまで減らしたの？
　マジで頑張ったじゃん」

* これも一つの努力か。

「ま、見たら解るシ？お楽しみにしといたラ〜？」

適当！本人のいないところであれこれ言うもんでもないし。

「……わざとらしいな……」

「まあ良いか……」

「剣に包丁……あぁ、あの方の話か」
「忘れないというか忘れられない人だよね、彼」

「サヨちゃん、ドク君。お疲れ様」

辛気臭いが挨拶はする。

｢そんな…安定して稼げる得意客が欲しいんだが
スられたり稼げなくなるよりは警戒された方がいいか｣

｢思ってたより有名なんだな…
俺もコロコロ場所を変えるがすれ違ってるだけか｣

『昼間犬に負けて地面に埋められていた。そろそろ出土してるとは思う。』

「頭に包丁が刺さってる奴か…ちらと見た事があるな。騒がしい印象だった」

「凄い減らしたね〜！」
褒めているような

「何か刺さってるけど、血出ないらしいねー。不思議！解剖してみたい！」

「……乗り遅れたな」
「減らすくらいなら」「貰えばよかった」

「貰ったところで、生きる理由もないけれど」

「剣の人…そういえばめちゃくちゃ長いくしゃみしてましたけど風邪でも引いてるんですかね」

たぶんくしゃみではなかった

「うし、さっぱりしたラルルお嬢様やで」
「でもまた雨に濡れるんよな」

シャワー完了だ。

「おお、レッド先生！それからユガミ嬢も。
　元気そうで何よりー…って言うには時間も空いてないか」

ははは。少し弾むように軽くなった足取りで、医療従事者ふたりのほうへ歩む。

「うそうそっ。
　先生大好きですっ♡
　この今にも溢れるときめきを押し込めるなんてやっぱり無理……っ♡♡」

「いや、やはり耐えます。
　これも無敵のナースになる道です」

「確かあの包丁の深度で性格が云々、みたいな話もあったよね」
「愉快でユニークな方だね。あとくしゃみがとても独特」

「ま、とりあえず日が変わる頃には行こかな…ちゃんとこっちには帰ってくるから安心しいや……多分」

「今日も生き延びよ〜夜は続くよー何処までも！」
そう言って軽い足取りで周辺を探索し始めた。

「お疲れ様ですドクさん！サヨちゃんさんっ
　昨日ぶりでございます」

笑顔で手を振る。

「あなたもなんだか元気そうですね？」

「ドク君は往診帰りか。この市街地は、比較的平穏だからすることもないな。
　僕が診療しないとならないような者もいないし……」

「雨なあ。降りやまなかったみたいだな」

「こんだけ降るなら雨具とか考えたほうがいいかもな。
　嬢ちゃんだって、髪とか綺麗ーにしてんだし
　崩れないほうがいいんだろ。そういうのは」

シャワー上がりの少女に向かう言葉。
女心わかってますみたいな顔してる。

「ボロ布、流石に濡れてるの使いたく無いな…
なんか良い奴ないかな…」

濡れてないボロ布を漁り。

ぜぇぜぇとしながら限界まで減らした。

『これ以上は、無理。』
80、これ以上はどうやっても減らない。

「現地にその辺に転がってるよボロ布」
「運が良ければ中身も入ってるから中身だけ処分すればいいよ」

「あー、だなぁ。ここいらで見かけた怪我人病人は
　問答無用で診療所に連れ込んじまってるってぇのもなきにしもあらずだが」

「…やっぱ往診にいった感じ。
　METROのあたりの連中の医療不信に比べりゃ、ここいらは平和なもんだ」

「あの恨み言くしゃみ、
　ホントにくしゃみなのか…？」

* 多分違う。

「あれ〜お医者サマだ。やほ〜」

手をひらひら。

「ボロ布〜？汚れてるヤツならあるケド」

使う？

「この辺は医療設備とかマシなのあるからなぁ」

「そういえば剣の狂人」
「自分のいないところで悪評をばらまいてるやつがいたら殺すって言ってたよ」

という悪評（事実）をばらまく。

「METROで医者は嫌われている」

その一端を担っているんじゃないかなあ。

尚。サヨちゃん、と呼ばれているらしき人物には
おたくらの知り合い？みたいな顔して医療従事者ズを見ていた。

「あーめあーめ ふーれふーれ かーさんがー♪」
「今日も雨が降るのかな？」

「あのくしゃみの言葉集めたら曲が何曲も作れそうでしたね…」

「本人がくしゃみと言うならそう信じるのが優しさだと思うんだ、吾」

戻ってきている人もいるようだ。黙して迎える。

「いや違うな……METROはすべてを嫌っている」

｢なんだそれ怖…
ここで悪評言っておびき寄せたら監視員に捕まるんじゃねえの？｣

「嫌われても治さにゃならんのが
　医者だけどな」

「ここはホントにやりやすくていいよ。
　設備がマシなのもそう、
　物が比較的揃いやすいのもそう」

「谢も来てんのかァ。
　何。商売？散歩？」

よ、と片手を挙げた。気安い挨拶。

「そうやねん、まさか此処で雨降ると思わんかったんよ。
昔は傘忘れたら召使いが持ってきてくれたんやけどなー。
でも多分綺麗にしたけどすぐくちゃくちゃなるわ。METRO行くし」

医者の話に耳だけ傾けて漁ってる。

「悪評を広めたらって。まぁ本人がそう言うなら黙するが吉かな」

METROのお話、密かに耳をそば立てて聞いている。

｢ここは安全だがいまいち稼ぎにくいからな…
ま、避難所として使わせてもらうぜ｣
品物の準備をすると監視員の視線が痛いらしい。

「昨日は……曙光とMETROが賑やかだったから……」
「こっちは……ノーマークだったな」

「自分は先生のすべてが好きですけどね」

『さすがに、0は無理だったわ。』
噂の人もおらんし。どこにいるんだろう。

「悪評広められたくなかったら悪いことしなきゃいいのに。」

「ウーン。
現地調達かゴミ箱兄ちゃんの奴もらうか…悩むわ…。
………てか中身ってなんや…？？」

「僕もラセン君が好きだよ。主にルックスが……」

「…はは。俺も散々診察を嫌がられたし、
　ぜってぇ医者にはかからねえよ馬鹿って悪態もつかれてきたよ」

METROで、と。
草臥れた笑いだがしかし、あまりめげた様子でもない。

「だが粘りに粘って名前と顔は売ったし、訪問する約束にこぎつけた。
　こっからだなァ……」

「ルールを守れば保障されるものがあるっていうのは…」
「まあ世としては当たり前であることだとは思いますがどこも同じとはいきませんよね…」

生欠伸。手の内の種子を放っては受け、繰り返す。
暇潰しと業を増やしてしまったがまだ少量の内か、と。

「ボロ布、ボロ服の中身」

「梟は退屈だと思う人も多そうやしなぁ」

「おー。ここいらは、あんま馴染みがない感じか。
　ここいらは…ちょーっと窮屈っちゃぁ窮屈だが
　のんびりするには向いてるかもなア。雨も降るけど」

「もしかして身なりが良い人が行くと嫌われたりするんやろか。」

「なんだ、ドク君はMETROに行ったのか？
　それは大変だったな……次に行くときは、スコップも用意するといい」

「患者が死んでいたら埋めないといけないからね」

｢ンー、お綺麗な話ぁ耳が痛えや｣

別所から歩いてきてごちた。

「みんな仲良く遊んじゃえば良いのよ！しりとりなんてどう？どこでも出来るよ。」

｢治療用の薬も仕入れておけばここでも売れるか…？｣
品揃えを豊富にしておけば需要も増えるはず…という考え。

「私は此処好きやで！
次は雨降ってない時に行きたいな！
曙光も楽しくてええところやけどキラキラして目ぇ疲れるねん」

ここは目を休めるには、ちょうどいい。

「……り、」「りざれくしょん・」

「ここが退屈なんじゃなくてさぁ、
　他が騒がしいだけなんじゃないの」
「って思うけど監視員居るのは
　あたしもどうかと思うわ」

* 小声でボソリと。
* 自分の爪を眺めながら。

「あ、欠けてる。クソ」

「ここが雨止む事ないでしょ多分」
「生きてる限りずっと雨降ってるんじゃないかな」

「しりとり秒で終わってません？」

「…………」
雨が降っている。

時間まで今日は待つしかないらしい。

「商売！卸ししてっからネ。梟首も曙光も」

意外と手広いらしい。

「身なり良くても別に嫌われネ〜とァ思うケドなァ……？」

警戒はされるってだけで〜。

「梟首会は秩序的で平和で、けれどかなり窮屈」
「それを退屈と感じる人も……まぁ、いるだろうね」

「多少静かな方が……」「私は好ましい」

「ンドレ！」

「服の中身……財布？」
頭お花畑かも。

「え、ここ雨止まへんの〜？
じゃあ今度から傘持つしか無いな…」

「梟首ァ皆窮屈っつーケド、ふらっと商売に寄るくらいならいーとこよネ。
オレァよく怒られるンで定住は難しいンですケド」

うーん、はみ出しモン。

背中を丸め足を擦りながら歩く。
あちらこちらを見回して声を聞き。
時折立ち止まったなら、気紛れにゴミを拾う。

「ルール無用しりとり？」

『……』
種子二つを何とかした後は貴石二つ。
永遠に歩く事を強いられている気分。

「（先生が今ユガミのルックスを好きって……♡あ♡あ♡あ♡）」
「ふーん、そうですか。
　まあ褒め言葉として受け取っておきます」

クールモード（擬）だ。

「平穏よりも……退屈を厭うのだろう。
　気持ちは分かる」

「METRO暮らしには、此処はやや息苦しいかもしれないな」

「ンドレ……」「その手が……あった、か」

「人は水物」「商いも又」

｢大人しく居住まいただしてリャ文句は言われねェだろ？ツマンネー所だが悪くもねェな｣

「りんしょうじっけん・」

「まぁね。定住するならこの窮屈になれる必要はあるけど」
「そうじゃ無いならただ平和で秩序的で静謐なだけ。良いとこだよ」

ちょっと無理やりしりとりを続けている子もいるな……。

「新しい商人？」

「騒ぎを起こさなければ何も起こらへんからな、静かに暮らしたい人にはオススメやで。」

「梟首会は楽で良い。」

これは惰性で生きて惰性で業を集める男の独り言。

「ンジャンジャ」

｢生活まで保証してくれッとは限らねェけどな。おまんま欲しけりゃ手ェ汚すしかねえや｣

業とか芥とかで。

「んふー、鬼ごっこしても怒られなかったよ！」

「しりとりで”ん”責めなんて概念あったんや…」
衝撃

「……はは、参考にするよ。
　定期的にMETROにゃ顔出さないとならんからね」

患者が死んでいたら。
なんて想定でも口に出したくないことを口にする彼女に
…ジョークか？本気か？引き攣った笑いで意を伺う目差をした。

「さっきからちらほらしりとり下手なヤツ居るナ〜？」
「静かにネェ。それもまたいーもんカ。
オレァちっと落ち着かね〜ヤ」

静寂は耳に痛い。

嘆息一つ。手が埋まるまでは此処にいるが。

「お嬢サマ……流石ですっ」

「厄運」

「賑やかな方が……」「すき？」

「ちびっこが遊ぶくらいはいいってことだろ。
　つっても遊具のひとつくらいは、あってもいいと思うケドなァ……」

うーん。ここらじゃおんぼろの廃墟と砂と雨しかない。

「んむくじぷっとぅるー」