記憶

  • @vertigo
    抵抗はない。
    身に着けているのは外套だけであったから、捲ればよくよく見えるだろう
    痣、内出血、擦過傷、手酷く使用された痕跡。此処まで素足は血まみれだが
    しかし表から見る限りでは少年自身が酷い出血をしているということはないようだ。

    もういちど、と促されれば 何度か声を出し損ねながら
    「気付いたら。おもくて」「僕の、上に」「ひとが」
    「ちが」「でてて、おさえたのに」

    何が起きていたか、の記憶はあいまいで
    何が起こったか、の記憶だけしかないようだ。
    それでもひも解くならば、
    気が付いたら自分の上に血を流した人がいた、
    血が止まらなくて、動かないから、先生を呼ばないと。
    と言っていることが分かるだろうか。

    2025/09/26 02:02:10 | 1
  • リア=ヴェルダ @Imitat
  • かしゅっと1本目を開け呑む。
    慣れてしまった。

    ツマミも軽くつまむ。

    2025/09/26 02:02:26 | 2
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「いいえ、構いませんわ。
    喜ぶあなたのお姿がとても可愛らしかったもの」

    女は微笑ってそう言った。
    社交辞令などでなく、本心から。
    女はヒトのそういう処を眺めるのが好きであったので。

    「…さ、夜も深くなって参りましたし、お話できる話題もまだまだありそうですから…宜しければ二人でゆっくりできる処へ行くのはどうでしょう?」

    其のほうがノートの内容だって観やすいのだし、と続けて。
    あなたが拒まないようであれば、手を引いて宿にでも誘おうか。
    治安的にも安心で在るので。

    2025/09/26 02:03:13 | 4
  • リウ @JagdKatze
  • 「……。」

    狂わんばかりに景気の良い日だ。
    多分、此処は最期までそうだ。

    安い苦味に赤い舌を浸して
    揺蕩う煙に紛れて笑う。
    品定めるような視線、思わせぶりな口元。

    行き交う者たちを眺め続ける男の瞳は
    黒々とした、生気の欠片も無い黒一点。
    今日もまた、後ろ昏い遊びの御相手探し。

            /* 置き気味・@付き会話のみ対応

    2025/09/26 02:04:58 | 7
  • ヨシト @justAstick
  • 何処ぞへ姿を消していたが、ふらりと戻ってくる。また、だの。今度、だの。来ねえはずのいつかの為。夜な夜な、何をしていたんだか。煤けた手を払い、次はひと眠りする場所を探しに。

    2025/09/26 02:19:26 | 8
  • クワツミ @mulberry
  • @komainuelse
    「…そうで在ると、良いのですけど」

    女が昔読んだ書物によると、一説では死者は生者に忘れられた刻に二度目の死を迎えるのだという。
    世界が終末を迎えたら此の世から生者が消え去ってしまったら、死後の世界すら我らを迎え入れてはくれないかもしれない。
    だからこそ女は後悔なく死ぬ事に拘っているのだけど…
    其れをあなたに告げる事はないだろう。

    信じるモノは、多い方がマシ次善だから。

    「そう、賛同していただけて嬉しいわ。
    …キコ様も、親しい方々と再会できると良いですね」

    あなたが手を重ねる儘に、女は受け入れよう。
    其れが今口にしたばかりの言葉と矛盾するようなモノだとしても。

    2025/09/26 02:21:34 | 9
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『それなら良かった』
    『わたし、C4R0って書いてカロよ』『あなたは?』

    ほっと大きく息を吐いてみせます。
    少し仕草が大袈裟なのは、言葉の代わりにするため。
    あなたの瞳に良く映ればよいのですけど。

    『もちろん』『好きなお宿をどうぞ?』
    『これでも結構持ってるからどこでも通れるはずよ』

    スーをお宿につれていく時もそうですが
    彼女の分まで貯め込んでいる都合上、率先して自分が払っています。
    手を引かれるなら立ち上がって二脚でついていくんでしょう。

    2025/09/26 02:22:12 | 10
  • 棄て犬 @vertigo
  • @429nik
    犬は……。
    犬は人間にとって
    酷い選択をする気でいます。

    それはつまり
    もう息絶えているかも分からない誰それより
    消耗しきっているものの
    犬でも手当が出来る程度の人間を選ぶという事。

    元より犬にとって
    メトロの人間は犬以下ですから。
    目の前の人間以上に
    助ける義理なんて無いんですよね。

    「わかりました」
    「では一先ず人間を犬の宿で手当します」
    「いいですね」

    なんて、了承をとるのは形だけで
    多少抵抗されても背負っていくつもりです。
    背負えたのなら、次に人間が目覚めるのは
    身を清めて手当された状態で見る
    犬の宿のベッドの上でしょう。

    もし、見捨てる判断を察知して
    どうしても見過ごせないのでしたら
    突き飛ばして別の方に助けを求めてください。

     ※すみませんが背後寝させていただきます……。

    2025/09/26 02:23:38 | 11
  • ヨシト @justAstick
  • @justAstick 遊び相手くらい、他にも居るだろうさ。

    2025/09/26 02:24:00 | 12
  • リア=ヴェルダ @Imitat
  • もぐ、もぐと食べている。
    深夜だから梟や鼠は寝てるだろうがここはそうじゃない。

    これからが本番。
    だがどこか少し以前よりその賑わいもない気がした。

    酒を流し込む。
    2本目を開ける。

    2025/09/26 02:24:03 | 13
  • シラエ @freetime00
  • @id
    「……うん。もう、ここに拾えるもの、ないみたい」
    変わらず感情のない声。いつもと同じだ。そのはずだが、今日ばかり酷く退屈そうであった。
    「梟には残ってるかな。メトロには残っているかな」
    正直、どこにいったとてろくな終わりでないのは目に見えているが。
    既に枯れた事の示されたここよりは、人形にとっては”拾う”価値があった。

    「……」
    その願いを聞いて、しばらく人形は、その色眼鏡の奥の瞳を見つめた後。
    「そっか。じゃあ、なにもなくなったら拾いに来るね」
    もし世界がそうなれば。この享楽の残骸にまだ、拾うものを残すというのなら。
    人形は喜んで応じるはずだ。

    ──拾い続ければ、拾えるものはきっと増えていく。いつか、終わりだって。

    それが、人形がただ唯一信じるものだから。

    2025/09/26 02:25:18 | 14
  • キコ・ビスカイノ @komainuelse
  • @mulberry
    「ああ、そうだな。会わせる顔がなくとも」
    「再会できることは、喜ぶべきことだ」

    重ねた手であなたの手を包み込み、瞳を見つめて、顔を近づける。

    「終わるといいな、クワツミ」

    無論、世界が。なにもかもが。
    酒と煙草と硝煙の臭い。良い終末をと、唇が動き、あなたに口付けをしようか。
    拒んでも良い、口づけを。

    2025/09/26 02:28:50 | 15
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • 聞こえる声が少なくなってきて。
    暗い路地裏を縫い歩き、眩いネオンを遠目に眺める。

    帰ろうか、もう暫く彷徨おうか。
    あるいは、

    「…………」

    最後のは無いな。
    鼠は足音も立てず、再び暗がりを歩き出した。

    2025/09/26 02:29:55 | 16
  • ヨシト @justAstick
  • @justAstick だとして、先に口走ったのは俺だった。……名前も知らねえガキ相手に、一体何のつもりだ?手元で骨牌を弄び、やがて仕舞い込む。

    2025/09/26 02:30:43 | 17
  • シャルパス @id
  • @freetime00
    長い付き合い……というのはエゴマシマシの見方だが、
    この短期間という観点で言えばそれなりに見てきた。であるから、そのトーンというのもなんとなく。
    おそらくきみの定義でいえばメトロがいいかな、なんてアドバイスも置いておきつつ。

    「ん。頼んだよ。少なくとも私の終わりはシラエちゃんのものだから――
     改めて確認した次第。あとで揉めたりしないようにさ」

    終わらなければ終わらないでその時であるし、
    これっていうのはただただ言い得の願いであるはずだ。
    あなたのことはかなり気に入っている男だから、
    少しでもプラスになればいいと思っている。
    ……滅びが来ないってなれば以後もよろしくしたいとも思っているし!

    「で、それはそれとしてロマンスしてかない?」

    そして色欲を抑えるつもりもない男でもあった。
    語られ尽くした夜であるから省略されて然るべきようなものでもあるし、
    これもまた袖にされても文句が出ない誘いである。
    ……そもそも文句つけたって、力じゃあなたに勝てないわけだし!

    2025/09/26 02:36:52 | 18
  • @vertigo
    瓦礫でも落ちたのか、喧嘩があったのか、はたまたこれがやったのか
    そんなことは定かではないが。動かないなら、その人とやらは死んでいる。
    しかし逃避し朦朧とした意識では、運よく・・・そんな事もわからなかったのだろう。

    わかりました、と言葉を受ければそれを了解とでも受け取ったのか
    ようやく一度視線が上がり、貴方の辺りを捉えるような曖昧な位置で揺れて。
    きっと貴方が、先生を呼んできてくれるのだろうと
    安堵のような息を吐き、薄らいだ意識を、軽い身体と共に委ねるだろう。

    2025/09/26 02:37:27 | 19
  • フヨウ @enjoylove
  • なんだか楽しいことがあったらしい。
    両手に紙袋を抱えた男は通行人をナンパして話を聞き、それだけでも心が弾んでいたものだが。

    「……そういやまだ仕返ししきっとらんけど」
    「……今は優先することがあるしな」

    紙袋を抱えたまま、見慣れた色を一瞬捉えてどこか暗がりへ消えた。

    2025/09/26 02:41:20 | 20
  • リア=ヴェルダ @Imitat
  • ここら辺で過去を振り返るのもありだろうかと思ったが、そもそも自分の記憶はオリジナルが元になっているから自分がやっていない。
    振り返るだけ無駄なのかもしれない。

    「…………」
    しかし、流されたとはいえこここの世界で良かったのかもしれないとも思う。

    (それなりに、楽しかった……し)
    あの人との約束もまぁ楽しみではあるが……。
    懸念点はそれを有耶無耶にされないかである。

    まぁ自分は待つだけなのだが。
    それしかできないから。

    2025/09/26 02:42:10 | 21
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「子供がそんな暗がりに行って」

    ざり、とサンダルが暗闇を踏みしめる。

    「悪い子やね。悪い大人に攫われても知らんで?」

    両手に紙袋を抱えた男が、すっかり見慣れたシルエットに声を飛ばす。

    2025/09/26 02:42:29 | 22
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「カロ様。お名前も可愛らしいのね。
    わたくしはクワツミ、此の街曙光に住まうモノ」

    女の瞳には、言うまでもないほどに善く写っているとも。
    女は元より博愛的というか、特段人を悪く思うような質ではなかった。
    …苦手なスタンスこそ在るものの、其れだって苦手と嫌悪は別で在るのだし。

    「まぁ。お誘いした身として、支払いはわたくしがするつもりだったのですけど…其れでしたら」

    少し恥いるような仕草をし乍らも、お言葉に甘える事にして。
    安価な宿よりは少し値が張るような処へ、あなたの手を引いて行くでしょう。
    やはり宿のランクは治安や衛生面に直結するので。

    2025/09/26 02:43:44 | 23
  • 案外やはり、真夜中でも此処は人が動く。
    短くなった煙草を投げ捨てて、ゆるり辺りを眺めている。

    「……鼠。」

    少し、何かが這い回ってる気配を感じたり、だとか。

    2025/09/26 02:48:01 | 24
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    聞き慣れた声に、動かし続けた足を止め。

    「路地裏這ってる鼠なんか、蹴飛ばす奴はいても攫う奴はそうそう居ねぇよ」

    くるり、ボロ布を揺らして振り返る。
    見慣れた黒髪を見上げて、その両手に視線を移し。

    「やりそうな奴も手が埋まってるみたいだしな」

    2025/09/26 02:49:58 | 25
  • シラエ @freetime00
  • @id
    シラエのもの。その言葉を聞くと、退屈そうだった目はほんの少し明るくなっただろうか。
    「うん。わたしのもの」
    生も死も。自分のものは自分の思うままにできるよね。
    そんな傲慢と無知も甚だしい解釈で。
    だから貴方を終わらせるのは、世界では無く私だと。

    「ろまんすしたい?いいよ」
    こちらもやはり否定する故も無く。その心こそ誰につかめたものではないが
    それがからだというのであれば好きに使えるだろう。

    2025/09/26 02:52:37 | 26
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『名前、かわいいって言われたの初めてかも』
    『クワツミも良いお名前ね』『クワはやっぱり植物の?』

    この名前を知るのは何人かだけです。
    そもそもこうやってノートを出さないと話せませんから
    こうして人と歩くこともそんなに多くありません。

    『良いのよ』『わたし、誰かの為になるのが好きだから』

    そうやって何かする方が安心できる面は
    もしかしたらスーとそっくりに映るのかもしれません。
    宿はどれに誘われたって一緒に入るんでしょう。お友達のお友達ですし。

    2025/09/26 02:52:53 | 27
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「それならナンパしたろ」

    へらりと悪びれず。攫えないなら一緒に歩けば良い。

    「それともなんや、何か別の用事があっていそがしいんか?」

    あろうことか、この男は貴方が自分に会いにきたなんて思っている。なんて傲慢。或いは……、

    「俺は君と楽しいことをしようと思って準備をしとったけど」

    なんて言って紙袋を抱え直す。これらの荷物は貴方に関係があったらしい。

    2025/09/26 02:54:01 | 28
  • クワツミ @mulberry
  • @komainuelse
    「…えぇ、えぇ。そうですね」

    再会死後の世界終わり世界の終末も、在ると善いですね」

    あなたに親しい者達と再会できる日が近づいているのも分かっているし、世界の終わりに抗う者達の存在も知っているとも。

    けれどそんな事理性的な思考、今は放って置いても構わないじゃないか。

    此の口づけの後にあなたのが醒めなければ、きっとまた二人、玩具箱曙光の夜を過ごすんだろう。

    2025/09/26 02:56:56 | 29
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    「案外気の変わらねぇ奴だな」

    ナンパ相手なら光の下に行けばいくらでも居るだろうに。
    なんて肩を竦めて、歩み寄る。

    「ねぇよ。石は燃やしたし、もうここに"他"の目的はない」

    前髪の下、見えない目線をあなたへ向けて。
    少しずるい言い回し。はっきり言ってやる義理なんかない。

    「何だよ、また肉でも買ってきたか?
     いつ来るかもわかんねぇねずみのために」

    揶揄うように笑って首を傾げる。
    さて、両手を埋めるほど一体なにを用意したんだか。

    2025/09/26 03:02:25 | 30
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「褒め言葉として受け取っとくわ」

    ナンパしたかったら言われずとも適当な時にとっくにしている。今はただ、貴方しか要らない。

    「そっか。なら運が良かったわ。
     荷物置いたらMETROまで行って君見つけて今すぐ気ぃ向け俺ん部屋来いって駄々こねるつもりやったし」

    こちらは案外ストレートに。卑屈になる理由もないし、駆け引きも必要ないだろうから。
    貴方が捻くれて素直にならないんだったら、こちらがその分真っ直ぐ当たれば良い。

    「そうよ。肉以外にも沢山。
     ぜぇんぶ君のため。悪い?」

    揶揄うような笑いには軽薄そうな笑み。玉虫色は酷くたのしんでいるように煌めいていた。

    2025/09/26 03:10:21 | 31
  • リア=ヴェルダ @Imitat
  • あぁ今、元いた国はどうなっているんだろうか。
    知る術はない。

    3本目が空になった。
    つまみもなくなった。

    2025/09/26 03:16:37 | 32
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「えぇ、植物から。
    …ヒトの営みに寄り添う植物だったのだと、名付けてくれた養父が言っていました」

    口ぶりから、女自身は桑を見たことが無いのだと察せられるかもしれない。
    曙光の街は、建物と其れらが発するネオンに溢れている代わり、植物はあまり見かけないのだ。

    「そう、カロ様はお優しいのですね」

    其れが 他者への優しさだけの行動ではないとあなた自身の安心の為でも在ると察していても、女はそう微笑む。

    そうして二人で入った宿での出来事は、詳しく語ってもいいし、“二人だけのもの”として此処では秘してもいい。
    いずれにせよ、そう可笑しな事にはならなかっただろう。
    友人の友人で在るので。

    2025/09/26 03:17:36 | 33
  • リウ @JagdKatze
  • 行き交う人、人ならぬ者、それ以外の何か。

    男に女、鼠に鼬、楽観と諦観。
    色気付いた童も、殺気立つ輩も
    全てが手元の紫煙に紛れて霞む。

    方々見回して、誰ぞと云う事も無い。
    どうせ誰だって良いのだから。
    一目で気に入った者であれば。

    いつもの煙草も、もう何本目だか。

    2025/09/26 03:19:00 | 35
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    褒めてはないが、別に非難のつもりもない。ふん、と愛想悪く鼻を鳴らし。

    「はぁ……?駄々ってお前、ガキじゃないんだから……
     大体んな簡単に骨牌切んじゃねぇっての、そこそこ手間だろが…」

    どうせ捻た言葉で返ってくると思ってたものだから。
    捻くれた子ねずみは戸惑ったように、狼狽えたように、声を揺らし。
    誤魔化すようにそんな小言めいた言葉を付け足して。

    「……悪かねぇよ。上等だ、飯運び係。
     んなに身銭齧って欲しいなら好きなだけ齧ってやるさ」

    煌めく玉虫色へ、見えない榛色を生意気に細め。
    布の巻かれた足で横を過ぎ歩を進める。

    あなたの宿のある方へと。

    2025/09/26 03:26:08 | 36
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『ヒトと、それからある虫と仲の良かった植物ね』
    『あんまり近くで見たことはないのだけど』

    こどもは梟首の出身でしたから
    主要な植物の概要くらいなら分かりました。

    『そうでもないよ』『わたし』

    前より媚びることが多くなったこと、自分でも分かっています。
    だからやさしいと言われると少し文字が小さくなりました。

    宿のことは、ゆっくり詳しく語った方が良いでしょう。
    というのもきっと部屋に入った途端

    『それで』『スーとはどうやって仲良くなったの?』
    『なんであの時、あの子の顔が赤くなったの?』

    なんて、こどもの質問攻めに遭うでしょうから。

    2025/09/26 03:27:16 | 37
  • リウ @JagdKatze
  • @enlargeDesire

    「……。」

    ふと、その視線は幾分遠くから。
    たぶん、貴女に視えてない路地の脇。

    煙草を燻らせる細い男の
    ぼんやり、見定めるよな目線。

    それに気が付かなくても良い。
    最期の時を謳歌する街の中では
    一瞬で塵と消える程度のものなので。

    2025/09/26 03:29:05 | 38
  • ファーシャ @whitemoon
  • ネオン彩る町の中、静かにどこかから戻ってくる。
    少しばかりの外出が、気づけば結構時間が経っていたな。
    身体は少しの疲労を訴えている、お店のほうは――少し休憩してからにしようかな。

    2025/09/26 03:33:17 | 39
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「なんですぐ骨牌切ったら駄目なん?人の勝手やろ。
     何がなんでもやりたいことなんやから、手間を惜しむ必要も渋る必要もなんて無いんやわ」

    当然だろと言いたげに。
    この男は快楽を至上とし欲とエゴで生きているが故に。

    「アハ。おおきに。ナンパが上手くいって何よりやわ。腕なしちゃんは優しいんやねぇ」

    これは褒めていると言うより揶揄い寄り。
    けれども嬉しいことには変わりないので、自分も同様について行くことにした。

    自分から進んで前歩くのか、なんて思いつつ。
    面白いので後ろをついて歩いていこうかな。言われたらこの間のように前を歩いてやるけれど。

    2025/09/26 03:34:51 | 40
  • カトー・ナナカイ @Kato7K
  • 眠らぬ街の輝きを一瞥し、すぱあ、と煙を吐く。
    男は元人斬り・現歌人……いや、別段両者に区別なし。
    剣の型も、歌の音も、守り破り離れるは同じだ。
    どちらにも通じてはいるが、抜きん出て優れているとは言い難いのもまた等しく。
    未練がましく古刀に新しい下げ緒まで拵えてやった。
    毎日どこかで、夢想の中の強敵と渡り合うのもついぞやめなかった。
    七腕ナナカイのうち幾つもを失ってなお、そういう者だ。
    相剋と塵拾いが無ければ、この色とりどりの煌めきにあかがね色を添えていたに違いない。

    「あかがねの
     いろはにほへど
     ちりぬるは
     こころやましく
     うらみはてたる」
    また一葉、煙に重ねて詠む。
    この街は未だ賑やかだが、散る時を待つ花のようにその兆しを見せているのは確かだ。
    それを見るのは憎たらしい。
    男は、この野放図な歓楽の街が好きだから。

    「爺さんなら『寂滅為楽』とでも云ったかねェ……」
    即ち、諸行無常と。
    呟いて、男は丑三つをとっくに過ぎた暗闇の中へと歩いていく。

    2025/09/26 03:35:00 | 41
  • シャルパス @id
  • @freetime00
    その目の色を見て、安堵した。
    退屈な顔をさせるってのは男としては最悪なもので。

    そうとも。死んだあとの私はきみのものだ。
    そこに価値があるかどうかは知らないが、
    明るさ宿れば言った価値もあるってもの。

    いつものように、細くて白い手を取った。

    「ん。じゃ、いこっか」

    幾度目かの夜、そして朝。
    男視点からしたら正真正銘最後のロマンスだ。
    いつも以上に気を入れたんじゃないか?
    そうしたら、きっと名残惜しみながらまたね・・・を告げたはず。

    ……残り少ない世界、可憐な君が望む幕引きが訪れるよう祈っている。

    2025/09/26 03:35:04 | 42
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    「あ~~はいはい、そうだよなやりたかったらやる奴だよな。
     ったく何をそんな熱が入るほど買い込んできたんだか……」

    手間も二の次にするほど面白いことなんだろう、こいつにとって。
    降参とばかりに尻尾を振って。

    「こんなとこで駄々こねる大の大人見んのも嫌だしな。
     お優しくしてやったんだ、精々美味いモンでも出せよ」

    振り返ってべ、と舌を出して。

    てかこいつなんで大人しく後ろ歩いてんだよ。
    歩き出して暫く、馬鹿デカい猫でも連れ歩いてる気分になってきた頃。

    人通りの多い道に差し掛かる辺りで「おい」と後ろへ声を掛け。
    ここに来い、と偉そうに尾で己の横あたりを示した。

    2025/09/26 03:48:22 | 43
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「そう、虫とも仲が良かったそうで…」
    「クワ“ツミ”と名付けたのも、其の虫とのゆかりだと…言っていたかしらね」

    ゆっくり詳しく語ろうと言うのなら、もう少しお耳を拝借する事になる。
    …とはいえ部屋に入った途端投げられた質問の嵐には、ちょっと正直には答えにくいものもあった。
    あまり赤裸々に語っては、あの子スーに怒られてしまうかもしれないのだから。

    「あの子とは、此の街曙光
    でお会いしたんです。
    他の方と相克している処を観て…わたくしが気になって気に入って声をお掛けしたのが始まりです」

    2025/09/26 03:50:31 | 44
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「え〜嫌なん?俺やったら駄々こねとるみっともない大人おもろすぎて見せ物にして酒飲むのにな」

    最悪!
    美味いモンに関しては「んぁぁ……努力はする」と珍しく歯切れの悪い返事。
    舌を出す貴方にちょっと苦味の含んだ軽薄な笑顔。

    「……ん。ふふ」

    でかい猫、尾で示された場所に目を丸くしてから素直に足を進める。

    「前やなくてええんや?」

    なんて、意地悪くあえて口に出す。あの時は隠れるように後ろにいることが多かったのに。
    隣までくれば歩き出すだろうけど、今日ばかりは貴方に歩幅を合わせてゆっくり歩いてやろうかな。

    2025/09/26 03:56:37 | 45
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『図鑑で見たことあるわ』『真っ白な虫なの』
    『繭を取って糸にしてたんですって』

    蚕というのでしたっけね。
    この世界には流石にもう残ってはいないんでしょう。
    あるとして、梟首のどこかになるでしょうか。

    馴れ初めの話が始まれば、目をきらきらとさせて。

    『いいな』『スーの相克を見たんだ』
    『かっこいいのよね、あの子』

    自分は彼女と戦ったのが始まりでしたけど
    惹かれるものがあるのは同じだったようで何度も頷きます。

    『それで、やっぱり今日みたいにお宿に?』

    2025/09/26 03:57:57 | 46
  • クワツミ @mulberry
  • 通りを眺めている。
    微笑み乍ら。

    2025/09/26 04:01:33 | 47
  • リア=ヴェルダ @Imitat
  • 「…………………」
    ふりふりと空の缶を振っている。

    2025/09/26 04:09:24 | 48
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    「馬鹿言え、笑うより前に引いちまうわそんなん。
     して欲しいなら鼻で笑うくらいはしてやるけどな。……?」

    軽口を叩いていれば微妙な反応。
    いつになくはっきりとしない返事に首を傾げながらも、どの道宿に着けばわかるかと。

    「こっちでいい、こうするから」

    あなたの肩に掛かるジャケットの下へ、するりと入り込む。
    大人の服でかくれんぼをする子供のように。

    「……ん、よし。
     これならいちいち隠れたり避けたりしなくていいから楽だろ」

    普段ならちょっかい描けて来そうな両手も荷物で塞がっていることだし。
    実に良い作戦、とばかりに子ねずみは満足げに。
    前より歩きやすいあなたの横を悠々と歩くことだろう。

    2025/09/26 04:09:28 | 49
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    これは世界が終わる前のとある一幕。
    男は何処ぞの女の姿を探して曙光をあちらこちらふらふらと歩き回っていた。

    人を捕まえてはどこに行ったか尋ねている。天上天下唯我独尊わがままプリンセスぶりはずっとだろうから、この辺りの住民なら顔くらいは覚えているだろうと。

    2025/09/26 04:16:02 | 50
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    きっと何処ぞの住民から女の居場所を聞けた。
    そいつならさっきエピタフの麓でご機嫌に喧嘩してただとか何とか。
    実際にそこに行けば、言われた通りにご機嫌な女がそこに居る。
    喧嘩相手は見当たらず、だから恐らく何れが勝ったのかは知らぬが解散後なのだろう。

    「あら、フーちゃんじゃない。何してんの?」

    自分を探していたとは露知らず、いつも通りのご機嫌な声音。

    2025/09/26 04:21:27 | 51
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    がさ!と紙袋が大きく揺れて悲鳴をあげた。取り落とさなくてよかった。

    「……。………………は〜ぁ。なんて恐ろしい子なんやろ」

    顔見られなくてよかった。随分な間抜けヅラだっただろう。
    己とは違ってこの手の動き、言葉以上の意味は無いんだろうな。自分よりタチが悪いんじゃないか?

    大きくため息を吐き出しつつ、二人並んで男の借りている部屋へ。

    「……ちなみに。飯食う前に、腕なしちゃんにはやってもらうことがあります」

    2025/09/26 04:23:15 | 52
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    そう、蚕。
    あの虫はヒトのエゴ品種改良によって、自力で生きていくのが難しい種だった。
    梟首か、或いは曙光の高層ビルエピタフの上の上、究極の資本主義の支配層の住まう階層くらいになら、まだ生きて飼われているのかも。
    どちらにしろ、女が其の答えを知る日は来ないだろう。

    「えぇ、とても格好良くて、素敵な人だと」
    「何より不屈の精神性が素敵だわ」

    女が見たという彼女スーの相克は、一度負けた相手とのリベンジマッチらしかった。
    故に女は、彼女スーの其れを不屈と称する。

    「…そうね、二人でお宿に入ったの」

    “今日と同じように”かどうかは暈して表現するだろう。

    2025/09/26 04:24:33 | 53
  • @JagdKatze
    暫しぼんやりしていた魔女。
    寝に行く様子も、動く様子も無い。
    ……追加の煙草を一本、箱から取り出し火をつけようとした所で、ふと。
    魔女は首を傾げ、ゆっくり振り返る。
    それは、丁度視線向けていた、男の方。
    その顔は不思議そうな表情から、次第に魔女らしい妖しさのある笑みへと。

    2025/09/26 04:26:16 | 54
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    あの女、喧嘩していないと生きられなかったりする?マグロ?蛮族?

    言いたいことは飲み込みつつ、移動されては困ると足早にサンダルを言われた方へ。

    「どうもぉチーちゃん。君を探し取った」

    ひらり、片手を振る。
    その手には骨牌が握られていた。

    「ナンパしに来たんよ。世界が終わる前に君とどうしてももっかい遊びたくて」

    2025/09/26 04:30:04 | 55
  • @500w
  • 空を見る。存在する価値の無いものからさかしまに堕ちると何かは云うが。

    「今になッて価値あるモンなんてあるのかね」

    2025/09/26 04:33:46 | 56
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    紙袋の悲鳴に伏せがちな耳をぴょん!と跳ねさせ。

    「な、なんだよ急に……今別に脅かしてねぇだろ……?」

    なぜそんな反応をされたんだろう、と訝しげにしつつ。
    見上げてもここからじゃ顔も見えないから、疑問符を浮かべたままあなたの部屋へ。

    前にも見た宿の中、盾にしていたジャケットから出て。
    さてこの大量の荷物は何だろうと覗き込む……前に声が掛かり。

    「あん?何だよ藪から棒に。礼でも言えってか?」

    2025/09/26 04:35:55 | 57
  • リウ @JagdKatze
  • @enlargeDesire
    互い違いの紫煙が揺蕩う。
    眼前の魔女を見つめる男の口元は
    大概、妖しいものだったろうな。

    「や。」 「……誰か、待ち合わせ?」
    「良かったら、ちょっとお喋りしない?」

    至って慣れた物腰、物言い。
    夜空の機嫌など何処吹く風。
    あからさまな口説きだ。

    「今日、面白そうな人がいなくてさ。」

    2025/09/26 04:38:09 | 58
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    「ナンパぁ?んふふ!
     フーちゃんは性格はイイんだけど、顔が好みじゃないのよねぇ」

    ブスじゃないけど、と無礼の極みに軽口吐きながらポケットの骨牌探る。
    不意に空を見上げれば降る雨に忌々しげに頭を振って。

    「は~遊ぶのにも萎える天気ね」

    それでも【空】は青いが、雨の煩わしさを吹き飛ばす程の魅力はない。
    エピタフの輝きも霞むことに溜息ついて、ペンと骨牌差し出した。

    2025/09/26 04:39:29 | 59
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    飼われなければ生きていけないというのも難儀なものです。
    こどもの目にも本物が映るようなことはないんでしょう。
    正しく天にいる虫と呼んで差支えありませんでした。

    『ふふ。わたしもそういう所が好きなの』
    『ちゃんと可愛がってくれるのよ?』

    口元に手を当てて、少し震えてみせます。
    声があったならくすくすと聞こえていたんでしょう。

    『ふぅん』『……あなたも、可愛がられたの?』

    彼女とお宿に入るってそういうことだと思っています。
    あなたの身体は魅力的ですし、余計に。

    2025/09/26 04:44:59 | 60
  • フヨウ @enjoylove
  • 「おや」

    以前話した人物の姿を目に留めて、ほんの少し瞬き。
    この時間で見かけるのは珍しい。
    深夜にも塵集めしているのだろうかとも思ったけれど、視線はどうやら例の青。考えるところがあるのだろうな。

    2025/09/26 04:49:58 | 61
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    覗き込もうとする前に、両手を塞いでいた大荷物はテーブルへ置かれた。
    ただ、明らかに食べ物ではない非常に重たそうな物が置かれる鈍い音も響く。袋は随分様々なものを詰め込んでいたらしい。

    「礼はいつだって言ってほしいけどな。いや別に今更ええねんそれは」

    空いた両手をぱしぱしと打って埃を払い。
    続いて黒く彩る爪先で、ベッドともテーブルとも違う方向――個室に続く扉があるようだが――を示し。

    「……お風呂。入ってもらいます

    敬語の圧。

    2025/09/26 04:52:50 | 62
  • @500w
  • 「よォ」
    「あんたも夜更かし?」

    ひらり。人の気配に気が付けば、相変わらず芥に汚れた手を軽く振った。
    夜更かしと言うには朝が近く、何よりそらがこんな・・・だから説得力も何も無いが。

    2025/09/26 04:54:31 | 63
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    「手厳しいわ。俺ってばこんなにも美人さんやのに」

    ため息。とはいえ気にする性分でもないが。

    「さっきまでご機嫌に遊んどったっていうのに。
     猫よりも気まぐれやわ」

    肩をすくめて苦笑い。
    俺が憂鬱な気分吹き飛ばしたるなんて言えればいいが、変につついて斬り殺されたらたまらないので黙っておく。
    正直、目の前の彼女にだけは一生勝てないような気がしてならない。

    2025/09/26 04:58:26 | 64
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    随分と重たい音だ、肉の他にも買ってきたとは聞いたけど。
    中身を知るには先に何やらしないといけないらしいから、気になりつつも視線を外して。

    はて、礼でもないなら何だろう。
    さっぱり心当たりがないまま、指差された先を見やり。目をぱちり。

    「おふろ」

    鸚鵡返し。知らない言葉……いや、この前聞いたな。
    確か髪だのを洗う場所だとか何とか……

    「や、………………なんで?」

    やだ、と言いかけ圧に押され。疑問符。
    それだけでもうどれほど洗っていないかが伺えるかもしれない……

    2025/09/26 05:00:12 | 65
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    「……これで2勝2敗やっけ?」

    ひぃ、ふぅ……指折り数える。

    「俺なぁ、世界が終わるなら最後にやる相克はチーちゃんがええなぁ思っとったんよ。
     何せ初めて相克教えてくれた相手やからね」

    「白黒きちんとつけたいわ」

    2025/09/26 05:01:09 | 66
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「…あら、まぁ。そうでしたのね」

    体格からまだ幼子だと思っていたけれど…
    まぁ、そういう事なら健全な言葉で飾らなくとも善いか。

    …なんて、まだはっきりと言葉にして肯定こそしなかったけれど、女がそう思ったことは、あなたにも察することができたかもしれない。
    あなたは聡い子であるようなので。

    2025/09/26 05:03:21 | 67
  • フヨウ @enjoylove
  • @ 500w
    「そ。夜更かし。俺わりとこの時間に遊ぶこと多いねん。
     お兄さんは塵集め続けとったんか。お勤めご苦労様」

    塵に塗れた手と、貴方の顔を交互に見やる。
    かつて話した時に語られたことは実行されていないらしい。
    また顔が見れてよかったと思う。何せ男は話をするのが好きであるが故に。

    「お兄さんは"自分にとって"価値を感じるものとかないの?」

    ぽつり、溢れた言葉を反芻しつつ。

    2025/09/26 05:05:11 | 68
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    「ん~……確かにそうね?」

    最初にカモにして、次は一度負けたから勝つまでやると宣って、そうして今。
    そうさな。此れじゃ引分、つまらぬ結果だ。
    勝負は白黒ついて初めて勝負であろう。
    女の瞳が再び煌めいた。

    「んふふ!まだ世界終わんないかもしんないわよ?
     もう最後にしちゃって良いの~?」

    まるで気遣うようなこと言いながらも一度骨牌取り出した。
    ま、良かろ。此方は困りゃしない。

    2025/09/26 05:11:03 | 69
  • @500w
  • @enjoylove
    「ンな時間じゃ大体どこもやってねェだろうに。
    俺ア…まあそんなトコ」

    ここ数日は大差ない日々と塵集めではあったのだけれど。
    結局、まだこの街の敷居を踏みあなたから渡された物は後生大事に抱えている。
    残る時間も無いと言うのに。
    それが切れる前に言葉を交わせたのは、僥倖なのだろう。

    「俺にとって」
    「あッたらこんなことしてると思う?
    ……は、若干言い過ぎか」

    全くない、なんて言い切れたら既に男はここに居るべきではない。

    2025/09/26 05:12:03 | 70
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「君、食べるとすぐ眠なるやろ。せやから眠たくなる前に洗ってしまおうと思ってな」

    その間にも男はジャケットをハンガーに掛け、シャツやらズボンやらの袖や裾を捲り始める。

    「なんで洗うかの理由も要るか。
     ベッドシーツが案外汚れるんやわ!も〜俺びっくりよ。一緒に寝るんやったら次から綺麗にしてからって決めたのよその時から。

     体洗えばすっきりするもんよ?悪いことやないし」

    ええやろ?と首を傾げる。
    なんとこの男、貴方とまた一緒に眠る気前提で話をしている。当然のように。

    2025/09/26 05:12:18 | 71
  • @JagdKatze
    「いいえ?
    ふふっ、なら少しお喋りでもしましょうか。」

    そんな口説きに動揺する様子も無く、魔女は笑みを浮かべている。
    ……決して、口説き魔に口説かれ過ぎてたせいではない。

    「あら、面白い人ねえ。
    それだと私はご期待に添えないかも知れないわね。
    なんせ、至って普通の魔女だもの。」

    2025/09/26 05:12:18 | 72
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『じゃあお仲間さんね』『わたしたち』

    まだ小さなこどもなのは確かです。
    それでもここがどういう街なのかは知っていて
    その上で、あなたの誘いに乗ったのもまた確かでした。

    『でもどうして、あなたにだけ赤い顔なのかしら?』
    『……わたしだってああいう顔、させたいのよ』

    ぷくりと膨らむ頬は幼子のそれそのもので
    経験との差がギャップのように映ったかもしれません。
    こどもはいつも彼女に与えられてばかりですから
    何かしら満足させてあげたいのです。

             だから、聞くんです。

    2025/09/26 05:12:53 | 73
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    「そしたら延長戦よ。お互いの気が向いた時にでも」

    あっさりと最後の試合の価値を蹴落とした。
    楽しいことに興じる機会をみすみす逃すというのなら、嘘つきと罵られるほうがまだマシだ。
    笑いながら何食わぬ顔で仕掛けてやろう。

    「それくらいでええんとちゃう?ゲームなんてさ」

    お互い、運命やら命やらを賭けるでもなし。
    享楽に溺れる人間同士の戯れならこのくらいがちょうどいい。

    2025/09/26 05:16:58 | 74
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    そうして振られた賽の行方。

    「……顔は好みやなくても、似た物同士でええやろ?」

    男はただ、静かに微笑んだ。

    2025/09/26 05:19:42 | 75
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    満腹になれば寝てしまうのはその通り。
    いっぱいまで食べなければとも思うものの、目の前に飯があるのに我慢できるほど余裕はないわけで。

    「はぁ~?寝床に野良連れ込んだら汚れて当然だろばーか!
     そもそも一緒に寝る前提で話進めんな……!

     それに、俺は、濡れるの嫌いなんだよ…!!」

    とはいえ風呂には納得を見せず、尻尾を立て鋭い歯を見せる様は威嚇する猫に近い。
    風呂嫌いも似たようなものか。

    ばっ、と部屋の隅まで逃げて唸り声を上げている……

    2025/09/26 05:22:18 | 76
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    全くもってその通り、ゲームなんぞ全て遊び。
    だからこの女は結果を見てケラケラ笑った。

    「引き分けだと業勝負なの、ほ~~~んとずっるいわよねぇ?!」

    骨牌には黄金虫が描かれ、紙は虫未満のそれ。
    全く同じ物が場に在るのを見れば、愉快以外を覚える筈があろうか?

    「アッハハ!心底似た者同士ねぇ!」

    貴方と異なりこちらは何時でも騒がしく、貴方の背中を強く叩いた。
    然したる衝撃はないだろう。

    「ねーえ、ここに来てから何してきたの?
     色々ちゃーんと楽しいことしてきたんでしょ?」

    曙光を歓迎したのが初めだったろう。
    なればこそ、終わりに至って貴方がどれ程楽しめたのかも聞いておこう。

    2025/09/26 05:28:48 | 77
  • リウ @JagdKatze
  • @enlargeDesire
    是とあれば優しく微笑む。
    大方、こういう会話の切り出され方も
    慣れている方なのだろうと思いつつ。

    「ふふ、そうかな?
     魔女って、お喋り好きなイメージあるけどね」

    適当なことを言ってみせて。
    "魔女"などと、滅多な言葉を聞いても
    それを当然のように受け入れて。

    「普通のヒトよりは、
     普通の魔女の方が興味あるかな、俺は」

    「君も、今日は一人で遊びに?」

    2025/09/26 05:30:22 | 78
  • フヨウ @enjoylove
  • @500w
    「確かになぁ。飯屋も空いとらんのやったら気紛れの約束も果たせんわ」

    けらけら笑い飛ばす。
    とはいえ、こうして立ち話をしているだけでも十分だ。何せもう会えないことだってあり得たのだから。

    「んー」
    「あったとして。君にとって価値ある物があったとしても、それほっといて塵集めに勤しんだって俺はええと思うけど」
    「価値があるからといって一生そいつに構う必要も、振り回される必要も無いんやないかなって俺は思うよ」

    何もかも気分で決める男は、少し考えてから口にする。

    「全ての存在の価値なんて、常に移り変わるもの」

    2025/09/26 05:32:21 | 79
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「君は俺と一緒に寝るの、嫌?」

    寂しげにそう鳴いた。貴方とは違い、この男は分かっててその仕草をする。

    「あったかいお湯でさっぱりするの、気持ちええのに。
     濡れるのどこが嫌なん?洗わず痒くなるほうが俺嫌いなんやけど」

    隅に行ったのをいいことに、今のうちに窓と出入り口の扉の鍵をかけた。悪い大人が過ぎる。
    逃げられなくしてから、改めて貴方と向き合いじりじりと詰め寄っている……じりじり……。

    2025/09/26 05:35:53 | 80
  • @500w
  • @enjoylove
    「そら今になッてした約束なんざ墓場行きだろ」

    分かり易く肩を竦める。良くも悪くも確定された未来なんてものは殆ど存在しない。

    「一理ある」
    「一理はあるな」
    「ただ、それを言ッちまったら──塵集めだとか言うのに執心する必要もねェだろ?
    どうせここまで来たら大差ねェんだからさ。
    塵集めて業を募ってそれでハイおしまい。
    それに俺は・・価値を見出せないね」

    だからって他人に渡す気がある訳でもない。積んだ価値の否定とはその道程までも否定をしない。

    2025/09/26 05:40:36 | 82
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    「…えぇ、其のようです」

    …嗚呼、荒廃した世界が子供が子供でいる時間を短くしてしまう事なんて、女は分かっていた筈なのに。

    「其れはきっと、わたくしと一夜を共にした時の彼女スーが、まだ初心だったからかもしれませんね」

    一つ、あなたに近寄って、其の頬を撫でる。
    そしたら女は部屋に置かれたベッドへと、一人歩んで腰掛けるだろう。
    ──良い宿を取っただけの事はある、柔らかなマットレスが女を受け止めた。
    ま、宿へと誘った時はこんな展開になるなど思ってもいなかった 理性など忘れてしまえと思っているけれど、物事の分別を棄てたつもりは無いのだけど。

    そんなことはあなたには関係がないだろうから。

    「…学びたいのなら、わたくしがお手伝い一夜を共にしましょうか?」

    百聞は一見に如かず、と言う諺があるらしい。
    一見より、体験してみるのがもっと良いだろう。

    寄るか、退くか。
    どちらを選ぶにしろ、選択はあなたに委ねられた。

    2025/09/26 05:44:16 | 83
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    「何事も力持つ奴が有利なのは当然やろが」

    へらりと笑う。
    また勝つまで仕掛けるなんて言われると思っていたが、返ってきたのは豪快な笑いと快活な衝撃。

    「……あぁ〜なんっか嬉しいけど悔しいわ!そないケラケラ笑ってんの見たら!
     こちとら感慨深くお上品に澄ましとったのに!」

    とうとう釣られて吹き出した。品などこの場で不要な存在かもしれない。

    「当然。楽しいことしかやりたくないし。
     ええ女に貢いで、子供殴って、適当に酒煙草呑んで、人揶揄って遊んで、喧嘩して殴ったり業巻き上げたりして、お気に入りの子愛でて。そんでええ女ときっちり白黒つけて思い出作って。

     ……俺なりに色々遊ばせてもらったわ。
     今が一番楽しいな」

    この街を拠点にした人間らしく、光に焼かれた蟲らしく。
    ひたすら資源を食い潰し、未来ではなく今に目を向けて享楽に耽る。喜んで破滅の道へと落ちていく。

    「そっちは?聞くまでも無いかもしれんけど」

    2025/09/26 05:46:57 | 84
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    嫌に決まってんだろ!
    …と、口に出しかけ詰まらせる。何だその反応、演技だろ…だよな……?
    寂しげに言われ強く否定できないまま、別に…なんて曖昧に。
    庇護欲を煽られると案外弱い。

    「おゆ……?水じゃなくて……?
     …や、どのみち濡れるなら変わんねぇけど…!
     布いちいち巻き直すの疲れるし、髪もなんも自分で拭けねぇんだよ。嫌に決まってんだろ!」

    洗うといえば水洗いしか頭にないからちょっと不思議そうに。
    してる間に各鍵が閉められ「あ!?」と悔しげな声を上げ。

    あなたにやってもらう、という発想はまあ、無くはないのだが。
    自分で出来ないことを任せるにはまだ野生が色濃い鼠なため。
    背にした壁に張り付きながら、苦し紛れにあなたを睨んで威嚇を続けている……

    2025/09/26 05:56:40 | 85
  • クワツミ @mulberry
  • 建物の屋根の下へ入って空を眺めている。

    2025/09/26 05:58:24 | 86
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    おや、此方が勝つまで永遠に仕掛けて良いのならば当然仕掛けたものだが。
    多少の気遣いがあったのか、或いはあんまりにもきっかり同じだったから愉快の方が勝ったか。
    否、この女に気遣いなぞの言葉は有り様も無いのだが。

    「んふふ、よーく遊んできたのねぇ。
     良かったじゃない?」

    機嫌良く笑っていた女はこちらに問いを差し向けられれば、途端に表情は雨に溶けて失せた。
    瞳だけが燦爛として。

    「勝手に【空】に落っこちていくのよ。アタシが全部投げ込んでやりたいのに。
     ムカつくわよねぇ」

    女はこの街の享楽を好む。
    然しそれ以上に、或いはその享楽の内実は、己の手による全ての破壊にあった。
    だから空は己の手で裂きたかった。
    人も街も、己の手で喪わせたかった。

    「これから出会うやつ片っ端から足引っ掛けて、あの【空】にぶん投げてやろうかしら」

    貴方をその端緒にしたって良い。そんな視線さえも向かう。

    2025/09/26 06:01:14 | 87
  • フヨウ @enjoylove
  • @500w
    「まあね。でもお兄さんとまた話せたのは嬉しいで?
     元気にやっとるかなぁ君の旅路はどうなんのかなぁとか、思っとったくらいやし」

    偶然、気まぐれで。話しかけた縁ではあるけど、それでも顔見知りという完全な赤の他人からは一歩分ほど距離が近くなったので。

    「そうか。移ろうこともなさそうか、君にとって。
     価値を見出せんのやったらそれはそれで別にええんやけど」

    「そしたら尚のこと、その塵集めただ一つだけちょっと異質に感じるなぁ。
     君は暇つぶし、手慰みでそれやっとると言っとったけど。他にも暇を潰す方法はあった筈」

    塵を燃やし降り積もる業がそのまま街での待遇や利便性に繋がるから、ある程度稼ぐのは理解できるけれど。

    「楽して暮らせるとこまで稼いで、もっと余計なこと考える必要のない暇潰しに手を出すことも出来たやろうに。
     そうでなく、ただひたすら選び続けた塵集め。それは、君にとっての何だった?」

    諭すわけでもなんでもない、ただ貴方という人物を知るためだけの問いかけ。男の好奇心を満たすためだけの質問で、それ以上もそれ以下もない。

    2025/09/26 06:06:58 | 88
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    『初心だった……』『クワツミが教えたの?』

    白くすらりとした指先がこどもの頬を撫でます。
    そこから先はあなたがベッドの縁に行ってしまいましたから
    文字で答えることはとても出来そうになくて。

    それでもお手伝いと聞くとそわそわして
    猫みたいに四つ脚ついて、ゆっくりと近づいてきます。

    そうやって。あなたの座った膝の上、自分の頭をそっと横たえました。

    身体で誘惑してみせるにはまだ何もかも足りませんが
    技を覚えて帰る分にはまだ少しくらいできるでしょうから
    甘える子供みたいに近づくのです。

    本当はそんなに無垢じゃないのですけどね。

    声もなく、唇だけが猫みたいになぁんと鳴いてみせました。

    2025/09/26 06:14:06 | 89
  • フヨウ @enjoylove
  • @lostarmrat
    「俺は君と一緒に寝るの、好きやのになぁ。
     おかげさまでぐっすり悪い夢も見ずに眠れたのに」

    眉を下げる。これも分かっててやっている。カスである。
    ただ、口にした言葉は決して演技でも虚偽の言葉でもない。紛れもない本心だ。

    「……え。じゃあそれ俺が全部やったるわ。
     布巻くのも髪や体拭くのも、全部俺がやれば解決する話やん」

    自分でも解決しようのないことが提示されれば言葉も詰まっただろうが、何せ解決方法が分かりやすかった。
    じりじり……威嚇をものともせず、男はどんどん近づいて来る……。

    2025/09/26 06:14:18 | 90
  • フヨウ @enjoylove
  • @ramune
    「おかげさまで。あの世なんざ信じとらんけど、天国なんてもんがあったら此処でもええって思えるわ」

    他の者からしたら地獄の様相かもしれないが。
    他など知ったことではない。価値を決めるのは己だ。

    「俺は【空】が気に食わんというか、自分の思い通りにしてやったとか思っとる『神』だの信徒だのが好きやないけどな」

    あのさかしまの空が初めて見れた日。
    貴方はあの時も引き裂いてやりたいなんて言っていたか。わざわざ空とよく似たリキュールのボトルなんて持って。

    そういう意味では、世界そのものを手にかけようとする貴方も己が厭う「神」とやらと似たようなものだが。
    けれど、当然貴方のほうが好ましかった。もっと人間くさく、エゴだらけで、欲のままに考え動いているから。

    貴方が世界を壊すのなら、きっともっと愉快で笑えたのだろうな。

    「おお怖い。君に投げられたら堪らんわ。巻き込まれる前に退散したろ」

    肩をすくめサンダルを別の方向へ。
    世界の終わりが近付いているというのに、その動きは随分軽やかだ。

    「それじゃあね、チーちゃん。良い終末を」

    2025/09/26 06:26:58 | 91
  • @500w
  • @enjoylove
    「そりゃドーモ。
    マ、まーだこの辺でグズグズしてる訳だが」

    旅と言うにゃ範囲が狭すぎるか。
    街の外にゃ後は何が残っているんだろうな。
    こうして直接話す縁と、同じくらいか。

    「そんだけの時間がねェってだけの話。
    来週にャどーなるかも分かりゃしねえのに変わってくモンを只眺める暇ァねえだろ」

    幾らか、詭弁は混じる。
    ただ大局を見ていない事は確かだった。

    「…あンさ、難しい話ァねーよ」
    「元々生きる為に奪うか、稼ぐかして重ねたこの街の価値だ。泥啜って血飲んでの生活に戻りたくなけりゃ抱えるしかねェだろ──使うのも堕ちるのも簡単だからこそ、だ。手に染みた生業ッつーのはそう簡単に雪げるモンじゃねェの」
    「もう、それも終わる話だろうが」

    世界の先が短いと言うのに喪失を拒否する事に意味があるか。
    あったのだ、抱え堆く積もらせると言う行為そのものに。
    狭い街の中で培われたのは、狭い視界ばかりか。一介の男にそう深いことなんてありはしないのだ。
    言っただろう、手慰みだと。

    2025/09/26 06:27:06 | 92
  • アネラ @anera
  • 以前よりやや険しい目つきの……旅立ったはずの彼女は天を仰ぎ目を細める。

    「……雨……。」

    ある意味お誂え向きかもな、と表情を一瞬崩すも。
    ……あの人はまだいないか。とりあえず見つかるわけにはいかないなとすぐに物陰に消えていった。

    2025/09/26 06:29:12 | 93
  • 腕なしねずみ @lostarmrat
  • @enjoylove
    「はぁ……?お前悪夢とか見んのかよ……?
     大人のくせに………、……しょうがねぇな…」

    まんまと引っかかっている……警戒心はあってもガキである。
    飯の礼がわりに寝るくらいしてやるか…、なんて純粋に。

    「そ、れはそうかもしれねぇけど……っ
     待て、こっち来んな馬鹿!ヘンタイ!狸!!」

    反論を綺麗に打ち返され、返す玉がなくなったねずみは
    ただ大声の悪口を繰り返しながら首をぶんぶん振るのだった……。

    部屋に出口はなく、追い詰められ既に壁の際。確保しようと思えば出来そうだ。

    2025/09/26 06:30:48 | 94
  • 汽水 @ramune
  • @enjoylove
    「『神』とか信徒とか、あいつらもバッカらしいわよねぇ!」
    「でも天国なんて、無いわよ」

    再びご機嫌に戻った女の瞳は未だに爛々と輝いて。
    天国なんてものに続く?冗談じゃあない。
    折角の終末を台無しにしてくれるな。

    「ちゃーんと、アンタも終わりなさい!
     そしたら投げ込まないでやるから!」

    貴方の背中を見送ろう。
    エピタフの麓、眩しくきらぎらしい光の中で、一人の女が哂っていた。

    2025/09/26 06:39:19 | 95
  • マキエ3■7■ @chumchum
  • 「おはようおはようございます!
     いよいよすぐそこもうじきおわり!
     享楽享楽してますか!エンジョイエンジョイしてますか!
     最後の最期の時間です、やりたいことはやっちゃいましょー!」

    \下級!ネムケトバース錠くれー!/
    \こっちには完全幸福食!箱で!/
    \おい下級!こっち来い!使ってやる!/
    \結局最期まで下級しか使えなかったなァ俺ら。まあそんなもんか/

    「はいはいはーい!ただいまいますぐよろこんでー!
     終末享楽ラストスパート!盛り上げブチアゲアゲアゲでいきましょー!
     おーっ!」

    曙光の下級奉仕員が忙しく走りまわり、求められるものを差し出している。
    その姿はどこまでもたのしそうだ。

    2025/09/26 06:40:05 | 96
  • クワツミ @mulberry
  • @C4R0
    あなたが女の膝に頭を横たえたなら、女は身を屈めて其のかんばせを寄せるだろう。
    女の桜色の髪がカーテンのように枝垂れて、二人の体温を閉じ込めた。

    そして「善い子」と小さく囁いて。

    またあなたの頬を優しく撫でる。
    母が子供にするようでいて、何処か艶やかで女らしい其れ。

    「えぇ。わたくしが教えました。
    此の街曙光ならではの“価値”を」

    なぁに、何も心配することは無いとも。
    心が欲しいなら心躰ではなく心で誘惑して魅せるものだ。
    其れを学ぶだけの器量才能が、あなたには在るさ。
    ──尤も、此の儘世界が終わるなら、成長した姿を見ることも無いのだと思うと寂しくはあるけれど。

    女が清廉で無いことも、あなたが無垢じゃ無いことも、お互い既に善く分かっているだろう。
    だから女は、あなたをベッドの上へ誘うのだ。

    2025/09/26 06:57:20 | 97
  • フヨウ @enjoylove
  • @500w
    「どないする?明日いきなり価値がひっくり返って適当なモンが爆上がりしたら」

    これは冗談が九割。
    あり得ない話に極限までに近いが、決して零とは言えないだろう。
    ただ、そうなるとこうして自分と話す機会が無かったかもしれないので貴方が眺める選択をしないでよかったとも思う。

    「手に染みた生業か。そう言われてしまえば返せんわ」

    業なんて名前、よく付けたものだ。
    降り積もり続けるそれは、正直手放しで喜べるものではない。

    「それなら、まあ。せめての話」
    「無価値だとしても。無意味ではなさそうでよかった」

    それだけが、唯一。
    それすらも無いものであったなら、きっと本当に全てを否定しかねないから。

    「お兄さん、終わるとしても楽になれるとかそういう心地になれなさそうで心配やわ」

    あぁ、こんなものかなんて振り返っておしまいになってしまいそうで。

    2025/09/26 07:00:54 | 98
  • @500w
  • @enjoylove
    「笑うしかないね」

    冗談に。寧ろそうなった方が面白い。

    「だろ、笑い話にもならねェ」
    「傍から見りゃ無意味だろうが何だろうが、俺にとってはそうだ」

    良いか悪いかは、当人からすると何とも言えないが。
    単、否定をしたくない意地だったかもしれないし、隅を突けばキリがない。

    「そ? あんたが切符くれたのに。
    そんなに心配なら明後日まで取っといたら良いんじゃね」

    その頃には要らぬ物になるかもしれないし。

    2025/09/26 07:10:33 | 99
  • C4R0 @C4R0
  • @mulberry
    窓の外の煌びやかな街の景色も、室内の電灯の色も
    全て、全て、あなたの柔らかな桃色の髪に遮られてしまうのです。

    囁き。手が寄せられれば、自ら頭を少し擡げて
    あなたの撫でやすいようにとささやかな媚びを見せます。
    きっといつか黒髪赤目の少女が受けたように
    あなたの教えを乞うのは、瞳の色だけが似たこども。

    今宵一晩は、あなたが先生。
    或いは恋人のように想うのかもしれません。

    このこどもは勤勉でした。真面目すぎるほど。
    ですから誰かに教えられるのであれば
    それが何であれ、吸収しようとしてしまうのでしょう。

    まだ半分ほど蕾の花を咲かせるのは、きっとあなた。
    誘われるままにその身をするりと寝台の上へ乗せるのです。

    ちいさなからだを捩れば、純白の髪がシーツの上へ零れました。うつくしいひと、どこからでもお好きに召し上がってちょうだいね

    2025/09/26 07:25:26 | 100
[黄塵街歌] ©2025 zmd