「さっきまでいなかった奴が二人……一人は明らかに初めてってツラだな。
何だ、観光目当ての嬢ちゃんか。身ぐるみ剥がれる前に帰った方がいいぜ？」

出会いしなに最低なご挨拶だ。
もう一人の煙草を燻らせる人物は、その煙草が懐のどの辺りにあるかを探っている。やれそうなら盗む気でいるし。

「ハローハロー」

義手を振って挨拶。

「はいいらっしゃい」「此処は余所みたいな観光名所は無いわよ」

「身の回りはしっかり気を付けとく事ね」

「見ない顔だな。気をつけた方がいい。物をスられる事があるからな。
　特にそこの子供は手癖が悪い」

「は、ハロー……？」

またなんかフレンドリー風な人が増えた……

「診療希望なら、受付番号を発行するように…」

そこの子供、と言われた時点でこの場にいる別の子供に目線を向ける。
まるでその子が手癖が悪いみたいな扱いだ。冤罪である。手癖が悪いのはこの人間だ。

＊いらっしゃい、など＊
＊フレンドリーな言葉なぞありません＊
＊行き倒れたら拝借しよう＊
＊思うのはその程度のことでした＊

「実際上手い生き方なんて、あってないようなもんですし」
「運さえ良ければ、どう生きたってどうとてもなりますよォ」

パチンと牌を揃えれば、懐に隠して物陰にするりと消えた

「観光の方は物取りと暴力沙汰にお気を付けて！」

もらった虫の串焼きを食っている。シャク……。

「なぁかなかなかお目当てが見つからないなぁ……」
砂埃をパタパタ叩いて、ヒールをカツンと鳴らす。業ばかり増えるね～

「おや！初めましての方々、ご機嫌よう！」

「んー、此処が他よりはやばーい所なのは知ってるよ。」
知ってはいるらしい。

「溝鼠地のように生きてきた身だから無問題さ。」
挨拶に返事をした。

「私は観光客みたいなものなので、無害ですとも」

* 人々の会話もちらと見るだけ。
* 提げたランプの硬い音を鳴らしながらその辺を物色している。

「お。やり」

* カラン。
* 運良く落ちていた空き缶を上に蹴っ飛ばしキャッチする。

かちゃかちゃと一通り骨牌を作る。

「……」
それを手に取りくるくるさせつつ、眺めていた。
やり合うつもりはない。

しばらくそうやって眺めている。

「たや～～！！ヒールだから逃げ足が悪いと思った？」
「ばいば～い！！」

カカカカカカカカカカカカカカ脱兎のごとく爆速の足

「おっ知らんやつが増えてんじゃ～ん
　死にに来たの？だったら荷物は預かるかんね～」

ケラリと笑いながら現れた。

「……ん？ああ、どーも」
挨拶くらいすべきだったか？周囲の顔を見、手をひらと振る。

手癖の悪いガキなんざ、珍しいモンでもないだろう。なにを企んでいるのか察する。
「生憎と、最後の一本でな」
煙草の空箱を手に取り、潰してみせる。盗ませてやる分はねえよ。残念だったな。

「あのヒールであの速度出せるのヤバ…」

「なんだよ！　……期待させやがって。
人前でこれみよがしに吸ってんじゃねえよ」

くしゃりと潰れた空箱を見て、露骨に声を刺々しく吐き捨てるように。
完全な八つ当たりであり、言いがかりもよいところ。

一通り全てを業に燃やす
「業を積む……積んだ果てにあるのはなんだろうか」

来ては早々。そこら辺を駆け回り、塵芥を探しては焼却し…を繰り返している。
「ここも塵の匂いがして良いところー。」

「は？ オイマジか、王冠じゃん」
「今日豊作だな…」

* キン、と拾った瓶の蓋を親指で弾いて。
* そのまま缶と同じ袋に入れる。

目当てはそうそう見つからない物だからな……
わぁ、すっごい速度。此処の観光名所は、やはりクセの強い人々なんだろうかな。

欠伸。壁際のでっぱりにデカい身体を捩じ込んでお昼寝。
呑気なもんだ。

＊王冠、と聞いてちらり＊
＊もっとも略奪しない主義でありましたので＊
＊がらくた拾いに戻りました＊

くっくと笑う。勝手に期待したのはそっちだろう。
「空箱掴まされてがっかりするのと、どっちがマシだろうな」
煙をぷかり。

「餓鬼がまた勝手に期待してシツボーしてる～」

ガハハと小馬鹿にするように笑ってる。

「オーカン有るんだ、金目のもの粗方取ったと思ったのな～」

「何さ！ボクは見世物じゃないよーだ！」
「それともなぁに？ボクと遊んでくれるの？どなたか相克しませんか～？」

「この希薄で気楽な人との繋がりも、ツギハギの俺にとっては有難い話だ」

「王冠も燃やしたら業になるんだよな…」

「おー……　釣りしてんなあ」

お昼寝中の誰かを一瞥してぽつり。これは誤解かもしれないが、寝たふりして…というのを聞いているから、これに手を出す気はないみたい。

「今日はこんなもんでいいか。…だり」

* 袋の紐を結ぶ。
* 奪われても奪い返すのみだが
* 無駄な争いをする趣味も無し。

* ほぼ・・同業を煽る事もすまい。
* そこらに腰かけて足を組む。休憩だ。

「吸いかけでもいいから、その火ぃ消して渡してくれるって選択肢は？」

施しの類に対してプライドなんてものはないみたい。
堂々としたたかり。

「ンだよ。やんねーぞ」

* ペッと手で払う仕草。

「チェッケチクセ～」

やれやれと肩を竦めてたら寝てる姿。
流石に今日の事は覚えてるので手を出さない。

「何？遊び？やる～」

よそ見をしている内に人が増えたり変わったり。
面の位置を直すよう触れ、視線だけは周囲の者に。

「オレは手癖は良い方だから安心してくれ。
…ま、こんなナリだから細かな手作業にはそこまで向いてないのもあるけど」

ガシャガシャ、義手を鳴らしてみせた。

「釣れたとしても、
　泥抜きやら下処理やら大変だし。
　そもそも毒で食べられないものが多いから、
　あまり釣りはしないかな、私は。」

「ウチは遊ばれたばっかだからパスーっと」

「やれやれー！」

それはそれとしてはやしたてるようだ。

「オレもパスかなぁ」
「でも人のを見るのは楽しいよな…」

わかる。

「あーしもパス。今忙しいから無理」
「見てるわ」

* 休憩中の意。

「業も既に30万……これが罪の重さならば、なかなかどうして大犯罪者じゃないか」

「ぼ、暴力反対～」

必死に争いの気配から目を逸らしている──

「30万？！ヤバ～」

黙々と焼却と合成を繰り返す
「よしできた。」
カルタが一つ完成して喜んでいる。

「(*ΦωΦ)！！？？」
悪い反応兎だ

「その内10万近くはウチのだったって考えると、なんか」
「悔しさ半分感慨深さあんね」

しみじみ……

「30万？！　どこのどいつがそんな……」

「暴力反対という割に鼠から耳を取りたがる不思議…」

「って、そこにいたな……あれ越えねえとならねえのか……？」

ややげんなり。

「そんだけ業あれば人並みの生活できそー。凄いねぇ。」

「すげぇ毟られてんの可哀想～」

思わず同情の目。

「まあ、うまく相克出来るならそんなところでしょうね。
　結局のところ、心理じゃんけんみたいなものだし。」

「あはっ！30万、すごいや！貴方に逆らえる人がそうそういない業の重みじゃないか」

吸いかけを欲しがるとは。片眉を上げ、また愉快そうに笑った。
「見上げた根性だな、ガキ。だが、んな選択肢はねえよ」
至福のひとときを途中で譲ってやるほど、出来たオトナじゃねえからな。
「よそを当たれ、よそを」

「逆に考えな？」「ウチは狙われずに済む」

儲けが大きい奴狙うのが普通だしな。
ソレはソレとして悔しさもあるから塵芥集めてるけど……

「まぁ、そのせいでもう鉄軌の骨牌しか残っていないのだがな……」

「…な、なるほど。そういう考え方もあるか…」

まぁ確かに、どうせなら稼げそうな人との方が良いだろうしな…。

「吸いかけもダメとか……ケチクソじじい」

煙草をくれなかっただけであまりの暴言すぎる。
とはいえ、追っ払われれば傍を離れていこう。

「………。」

「そう言われると、逆に相克できないのよ、ええ。」

「業の多い者と相克を行うならば、紙片は鍵になる。特に尾の欠片から作られるものはな」

金具を燃やしている
「うんうん。そうだねぇ。」
実際業を沢山持つ人を狙っている身。とてもよく理解できる。

「お口が悪い……」

@ snakesnake 「いえーいボクの勝ち👑🏆」
相克勝負は盛り上がった！かも！

未開封の煙草の箱を胸元ポケットから取り出し弄ぶ。
業については弱者故お遊びに乗る素振りも無い。
生欠伸を繰り返しそういえばライターを貰い損ねたなと。

「耳を取るのは医療行為」

「初めて聞く医療だ」
「ギャンブルも医療」

「30溜めてリベンジしてやる。首洗ってまってろ！」

びしぃ！！

「相克、互いに紙片を使えることも忘れちゃダメだから。
　だからこそ心理じゃんけん。」

「死人に医療は……要らないから」

その調子で元気にやれよ。
しっし、と追い払うような手つきの後に、じゃあなと小さく呟いた。
「……あーあ。ったく、昔を思い出す……」

「死人に医療……。
　……検死？」

「検死は専門外だ…」

「医療行為なら何に対しての医療なんだ…？」

「ア～ムシられた～」

馬鹿が仰向けになってる。

「相克してるとこっちもやりたくなるねー。」
そう言いつつそこら辺を駆け回っている。

✌️(*ΦωΦ*)✌️ ボクが毟りました

「うさ耳つけた人がドヤ顔してる。」

「あースゲー」

* 拍手だけしている。

「相克もある種娯楽のひとつだしねー」

実態はどうあれ。賑わいがあるのは良い物だ。ぱちぱちぱち～

「また次があるさ～」

お疲れ、と労い。

「相克」
「よくやるよね」

「ワタシがムシってやる筈だったのに～
　変な耳付けやがって～」

「争うよりは、地道に漁った方が効率は良さそうだ」