「業」
＊数字で言うのであれば3万ほど＊
＊ただし、それを大っぴらになんかしませんが＊
＊むしろ少ない方のようなので、自衛にはなるのでしょうか＊

「細々暮らすなら2万でも結構だと思うがなぁ」

「ひたすら灰を漁ってりゃ嫌でも業は増えていくからな。」
「まぁ、あんま漁ってばっかりでも腹が減るだけだが……」

漁ってるだけじゃ飯は食えないあんまりやるとサーバー負荷がちょっと心配。難儀なもんだ。

「私はそこまで屑拾いに積極的ではなかったから……恐らくこの場ではあまり多い方ではないな。」
「今の私はむしられる側だろうね」

「業は生活に必要最低限しか持たないよ」
「余分に持ったところで狙われやすくなるだけ。当たり前じゃん」

実際、自身がどれくらいの業を持っているかは明かさない。

「あれ」「あんまり言わない方が良い奴っす……？」
おどおど

「パクりま～す！だから皆の懐ジジョー教えて～」

いえ～いとピースしてる。

酒を注ぐ音。

「今宵は背比べどすか」

「じゃあナワでいいや。」

　結果としてこうなるようです。

「名前言わなかったっけ。言ったときにたまたまいなかったのかもだけど。
　私はヒノワだよ。」

「別に話しても大丈夫だとは思うが」
「しかし警戒するのは悪く無い」

「お小遣いの話？」

「ふふっ、楽しかったですよ。」

ゆらゆら手を揺らした。

「私ももっと、贅沢したいですからね〜……
もっと業でも貯めたいですが。」

「……やめとく、パクられたくないし」

「ま、此処で生きてくならなおさらね」

「あらま、今度は彼負けちゃった。……いーい逃げっぷりだこと」

「懐なら明日の酒代を残して曙光で冷やしてきた」
娯楽で使い切りやがったらしい。

「因みに、他所から来たものなら他の場所の雰囲気にも詳しいのではないか？」

「盗る言うやつに明かさんと思うよ。言わんやつにも明かさんけどな。ま、それに意味があるんかも、うちにはよう分かりません」
一気に飲み干して。顔色一つ変えない。誰とも視線は合わせない。

「ここでは業が全てだ。」
「業の多さで誰から奪えるか、誰から奪われるかわかってしまうから。」

＠enlargeDesire カカカカカカカカカカ！！！！！脱兎の様な拘束ヒール音
あなたの顔覚えましたからね。またリベンジに来ますよ！！！

「……」

「……皆さん稼いでて凄いですね！」

この有様怪我でそこそこの業を持ち合わせている事がバレたら
どうなる事やら、急に口数が少なくなってこそこそし始めた。

「此処じゃぁそういう懐事情は言わない方が良いかも」
「盗ってくれって言ってんのと同じだしさ」

「そっか、業が全てなんだったね」
「気をつけなきゃ……」

「…………そう」「もう、奪い合ってるのね」

「金具などは、適さない場所で焼けば400程度」
「しかし適した箇所であれば、4900の業となる

「持ってようと持ってなかろうと、うちには何も変わらんし、どうでもええわ。…………つまらん見栄張らんで、堂々としといたらええに」

「露骨に口数減り出したけどあの耳取りさん…」

「まぁ、私も一度相克というものをやってみたい気持ちはあるが……」
「奪い合いで稼ぐなんてあまり手段にしたくない……とは言ってられないか」

「んま、METROァ弱肉強食っつーか適者生存の坩堝ですんで？警戒はしとけョ。カカッ」

飢えて死なれちゃ困る。ので、親切心だ。
その辺の瓦礫をまた齧った。ジャーキー買ってこようかな。

「骨牌1枚が3500と考えると、わざわざ移動して焼くのもあながち損とは言い切れんな」

「相克、聞いたことある」
「怖いからやったことはないっす……」

「みんなせっせとかき集めて真面目だねえ」
働き者なんだ。

「自分の手持ちばらすバカなんぞいねぇだろ………」

「そんな事ないデスヨ、
　イエーイ、ハッピーハッピー、ラブアンドピース」

ピースしてる。

「一応、一通りこの近辺の地域は歩き回ってみましたが……」

「まあ、自分の目で見るのが一番では？」

思わせぶりな言葉

＊奪いはしませんが＊
＊もしも、奪い合いで無防備な医者が死ぬようなら＊
＊遺されたいくらかは貰っていこうと考えています＊

「移動する為に探してるだけでも案外溜まりはするものね」

「どっちにしろ、移動先で長居するつもりもないけれど」

「…瓦礫って食えるのか…？
腹壊さねぇ？」

「曙光……あまり好まない雰囲気の場だったから避けていたが」
「一度くらい行ってみてもいいかもしれないな……」

「ヒノワ？なんだ、サーカスみてぇな名前だな」
「興味ねぇけど」

よくもまぁ他人に名乗れるもんだね、と悪態ばかり。

「お前みてぇな小奇麗な奴はもっと自分の情報を大事にしたほうがいい。」

身なりが綺麗な奴ほど狙われるからな。

「豪遊だのして〜ヤツは相克すンじゃネ〜の？オレァ穏健派なのでその日暮らしですけどもォ」

「相克はそんなに悪いものでもないよ」
「俺は嫌いじゃないかな」

「………」

「ぴーすぴーす」

白衣の傍に立ってはピースしてみた。
理由？なんとなく。

「クカカ。食えるってだけデ美味くァね〜な。要る？」

どう考えても消化できそうにない代物。
だってただの瓦礫だし。

「うちは此処で座っとるだけやさかい、なんぼ持ってても虚しいだけや」

「あげるいうんはまた違う話やけどな。タダでやるんはつまらんしな」

「怖……」

二人共ピースしてる様子に背筋に悪寒が走った。

「ま、移動するにもこいつがいるがな？」

骨牌ちらつかせ。

「ね～っ」

隣のけもの耳と顔を見合わせた、なんとなく。

「少し、曙光を見てこよう」
「面倒ならばすぐに帰る」

「勝って得られる可能性より……負けて奪われる可能性が、こわい」
「でもそんなこと言ってたらきっと……いつかは……」

「また……業が……積もっちまったよォーーーーーーーッ！！！！」
「もう大量殺人鬼になるしかないのかなーーーーーーーッ！？！？」

「相応しい夢を知ることができるのなら、
　業の一部を差し出すことは厭いません……。
　命は差し出せませんが」

「負けたらまた灰漁りするだけだろ。
　下手打たなきゃ死ぬほどじゃないんだから
　喧嘩なんて軽くやったらいい。」

出来れば出稼ぎでもしてきてほしいくらいだ。
そうして稼いだ奴を襲った方がお得だから。

「いや～オレは遠慮しとく…。
流石に瓦礫を砕く顎は持ってないから」

お気持ちだけ受け取っておきますね。

「因みに瓦礫以外も咀嚼出来るのか？」

「豪遊かあ」
たしかにしたいかもしれない。楽しそうだし。

「ゲーム相克愉しいですよ。
ふふっ、大切な業のやり取りですからね。」

「私ももっと遊びたいですが……今は手持ちが無くて。」

ので、再び塵芥を弄り回している。

「……相変わらずここは賑やかなものだね」
交錯し続ける会話に少し目を回している。

「ふん。勝っても負けてもうちは何も変わらん。どうでもええわ……げぇむ自体は嫌いやないけどな」

「ま、夢見るんなら、見れる時に見ときなはれや」

「ゲーム」「言い回しが怖い……」
「わたしは細々と生きようかな」

「曙光向こうでよく焼けるモン拾ったらでいいんじゃねェか」
「ただ行ったところで、目に悪ィ光見て終わっちまうぞ」
オッサンの観光案内。

「なんで怖がるんだっての」

ちょっとむすっとしました。
向けられた顔にはきょとんとしてましたが。

「この死にたがりまだ生きてたのかよ。」

「クソッ死にたいってやつが襲ってくるなよカスが！
　大人しく殺されてろよーッ！！！」

他責しながら泣き言漏らしてる。

「死にたいから返り討ちを狙っているんじゃないのかい？」

「生きて」「生きて」「生きて……それから……どうなる？」

「わかりやすいほうがいいでしょ、名前は。」
「それに、教えたところで。
　長く住んでる人ほど、私から業以外の何かは出てこないことは。
　よく知っているだろうし。」

　何も持ってないという意味か、
　それとも隠しているからという意味かはさておき。
　別に気にしている様子はなさそうです。

「また勝ってる…」

剣の子、そういう定めの下に生まれたか？
あるいはあの赤髪がそうなのか……

「他の場所は何がよく燃えるんだろうね」
「ここは金具がよく燃えるけど」

「曙光だと何がよく燃えるの？」
事前調査しておきたいな。次向かおうと思ってるから。

「オレだって、好きで襲ってるわけじゃないッ！
　殺されたかったら……襲わないと殺してくれないだろ！？
　いや！戦いこそ人間の業！戦うから業は流れる！
　オレ達は戦わなければならないんだ！ア゛ア゛ア゛（発狂）」

「貴石だった気がするよ」
「間違ってたらごめん……」

「ふふ」

何故かは不明だが機嫌がいい。

「他のモノだと、種子、貴石……」
「……印象だけだと想像がつかないな」

「カカッ。そりゃそーカ」
「何でも喰えるゼ！」

何でも。
またずいぶん大きく出たもんだ。

「アラララァ……双方運がね〜ナ？クカカ」

「日付が変わったら移動する人も多そうだね」
「どこに向かったって同じ事だけどさ」

「おっと、気を悪くしたなら謝るよ」

むすっとされればちょっと狼狽。

「生きてりゃお前、そりゃ」
「人生で一度きりのくたばるタイミングを、世界の終りで締め括れて」
「面白そう」
面白そう。中年の全てが込められているのだろう。

「分からないから生きるんです……。
　あたしは意味を持って生まれてきたと、思いたいですし。
　生の無意味を証明することは誰にもできませんから」

「貴石」
「ありがと～！ 向こうに行ったら燃やしてみよ」

「綺麗な石は退廃的なトコが良く似合う」
「なんかのタネは秩序だとかいう元で芽吹く」
「金具は鉄道の残滓でよく燃える」

「石ころ貴石で合ってるぞ」

「曙光では、貴石が良いですよ。
あの場所に見合った、輝きを放つ石が意味を持つ。」

「ふぅん……」
「名前一つだって隠しとけば、知りたがってきた奴に
　「知りたきゃ飯をよこせ」って集る事もできるだろうに」

タダで教えるなんてばかのする事だろ、と。
肩を竦めて吐き捨てるばかりだった。

「面白さ」「意味」
「そう……それが、価値・・なのね」

「襲わなくても殺すつってんだろカス！死ね！」

罵声を浴びせてる、本気にしなくて良い。

「曙光じゃあヒカリモノが好まれそ〜だしナ？」

いかにも、ね。

「オレァ夢叶えるまで生きようかなッテ。叶わんまま気付けば世界が先に滅びそうですけどネ」

「ま、有益な情報が何のリスクもなく手に入った、ありがたいね。」

「合ってるらしい」
「合ってたよやったね」

「意味を持って生まれたって、変な言葉だな」
「人は意味がないと生まれてこれないのかよ」

窮屈な世界に感じるな。