「路上オペって公開処刑と何が違います？」

「芸持ってる人は強いわねぇ」

のーんびり……

「…ま、何処でも塵芥を集めてるのは居るし。
　燃やして探して固めてぽん、は良いんじゃないの」

長居する気はさらさらないけどね。

「まあ、今は誰にも食べさせてやるつもりはないし」
「それに美味しくはなさそうだもんな」

自ら不利になりに行くような真似はしない。

「ねずみじゃない」
＊ただの真似事＊

ととっと。
梟の街からやって来ました。
おそるおそる…

「あのセンセの路上オペはただの公開処刑な気もしますケド」
「ケッコー皆恵んでくれンだよね。生ゴミとか粗大ゴミとか……あと土塊とか？」

それおひねりではなく迫害では？というラインナップであった。それで良いのか。

「医者は路上でオペしようとするのが普通なの？
　ウチ、今日だけで何回も聞いた気がすんだけど」

そんな医者普通であってほしくないが……いやまぁ、ウン。

過ごす場により異なる雰囲気は面白い。
まぁ、何処も相克起きて平和とは言えたのか。
狗は傍観のみで、なんだって構わないが。

それより日が変わったら曙光にもう一度観光にでもいくかと思案。
ライターなり火がつけられるものが欲しかった。

「こだわりはないから、別にねずみでもいい」

リフレイン。

「私はヒマワリの花を見たいっていうのが主だから、
　誰かと同じ行動原理って持ちにくいんだよね。」

「あらあら、ふふふっ。」

不機嫌だろうが、叫ぼうが、楽しそうに笑うだけだ、この女は。

「まあ、今日はこれくらいにしておきましょう。
今度こそ、私は曙光に行きます。
では……」

「神聖な行為ですよ」

「じゃ、気が向いたらチョーダイね」

左腕。んなテキトーこきつつ。
お、見ない顔。ひらひら手を振った。

「新参者か、此処は混沌と自由と狂気の居場所だ」
「気を付けておくと良い」

「そういや、鼠もどきの耳付多いけどさあ、それ以外の種の、猫とか犬とかうさぎとか鳥とか、そういうのは見た事ねえな。いるのか？　そういうのって同胞？」

「ねずみでもいい」
＊真似事。どっちなんでしょうね＊

「コロッケだって！？喜んで！いやぁ、早くもまたお腹が空いて来た所なんだ。このジャーキーで少しでも貴方の飢えが満たされたら良いんだけれど」
だが、謎肉

『……』
おや、さっきの鬼ごっこの子。

雰囲気の差にどんな感想を抱くかと眺めている。

「METROは愛に満ちているなぁ」

「それと死も満ちている」

「私は施術はちゃんとこっそりやりますからね」

何の弁解？

なんか品行そうな奴も来たな。噂の梟か？

「ヒマワリ？花なんかこの世界に咲いてるわけねぇだろ。
　種でも植えて1から育てる気かよ。」

もしかしたらどこかでは育てられてるのかもしれないが、
ねずみは本物の花は見たことがなかった。

「うさ耳バンドつけてる人はいたね。」

「ノーコメントで」

暗に同胞じゃないって言ってる。

「猫」「いたら絶対に見たい……！」

「なあんか、観光がてらで顔出してくる輩多いな……」

新顔であるならば隙だらけなんじゃないか？　軽く接近を試みる。
来たばかりの人にドンとぶつかって、何かしらの物を盗めたらいい。盗み、失敗することも全然あるかも。おまかせだ。

ちら……と隣を見る。
犬……かな？

「ツラの見えねェお偉いさん共　どっちも態々デケえ建物拵えやがって
　全くムカつくよなあ……？顔も合わせられねえヤツらが未来を決めるってのがよお……」

「動物がいたとしても、もう食べられてるよ」

夢のないやつ。

「METROは頭がいるのかどうかすらよくわからないからな」
「案外業を一番集めたやつが自然と頭になったり」

女性が隣を見ている様子を見て。

「あ、それ飾りじゃねえんだ。いたわ。他の耳付。……犬？」

ちがう。

「クカカ。オニーサンは優しいネ〜」

ほなトレード。ホクホクの謎肉コロッケが寄越された。
味は良いので、中身にさえ思いを馳せなければ良いごはんではある。

「うち、見世物やあらしまへんけど……退屈せんで済むなら、まあよろしおす」
新しい顔などにはそう言っておくのだろう。視線は合わせない。決して。

「食べられてる……？」
「それだったら、悲しいね」
しょうがないとは割り切っているみたい

キョロキョロと辺りを見回しています。
あ、さっきいた人もいますね。

「混沌と、自由と、狂気。」
「血の気多い。みんな言ってるわ。」

「ねずみ以外」「よく知らない」
＊鼠同士、特にコミュニティもないが互いを知っています＊
＊なので知らないということはそういうことでしょう。＊

「一から育てる気だけど。」

　きっぱり。

「まぁ、簡単に死ぬから気をつけると良い」
「俺みたいにはなりたくないだろう」
ツギハギの死体が動いている

「純粋そうなガキだなァ……
　殺してェ……
　その瞳が絶望に染まる前に殺してやりてェよ……」

「分からないけどふさふさしていたのは確かです」

感想。

「……あらゆるがあるからこそ、
　何かを為すような気持ちもここにはあるはずです」
明日には消えてしまいそうな、儚いものだとしても。

「たまたまいついた鼠もどき耳付が、ここで増えたって感じかあ？
食いモンにするような天敵がいなくてよかったなあ」

他に群れを成しているような種は今のところ見た事ないから。

神聖、ねぇ……なんてのんびりしていたら聞こえて来た声音。
露骨に、むむ…と目が細くなりました。

「狼だし」「次犬とか言ったら噛みつくわよ」

「マジで1から育てる気かよ……イカれてやがる」
「ヒマワリって太陽を見る花じゃねぇのかよ」

土も水も陽の光も。
ここじゃ用意は難しいだろうにな。

「食欲旺盛な人に掘り返されて終わりだと思うけど」
「案外鼠なんかも好むよね種子」

「たかが[業]言うんで価値決めとったら、数数えられる人が一番偉いんやろなぁ」
いつも以上に、大変に回りくどい言い方をしてまた酒をあおる。

「優しいだなんて、私には勿体ない言葉だなぁ。こちらこそ感謝だよ」
この時代に美味しい揚げ物を得られる幸福が染み渡る。お肉が、この時代でも手に入るお肉だとしたら…覚えのある味と言うべきか否か…とにもかくにも、美味だった

「オオカミさん……！」
「お耳、可愛いねっ」

「公開処刑も医者とナースにかかれば」
「愛の共同作業って感じですかあ」

ぷか～て煙草から煙を浮かばせる。
そいや一箱寄越すときにライターにマッチもセットで渡せばよかったな。

「実際自己満足だもん。
　咲かせられたとしても、種を食べるくらいしか出来ないだろうし。」

　狂っていることをやろうとしているという自覚はあるようで。
　だからこそ、業をちまちまと集めていると。

「此処で花育てンの？咲くかなァ〜？」

咲いたらいーね。
ジャーキーをガジガジ。矢張り塩気と噛み応えのある肉は良い……。

「堅っ苦しいオニーサンねェ。METROの連中と比べちまうと大体の人間は優しくなっちまうカ！クカカ」

「業がある以上、死んでも死ねない状態になるかもね」

ここにはその前例と思われる存在もいるし。

「なんや、ほんまに花咲かせる気なん？　見物やわあ」

「業にまみれたこの世界での救いは一つ。全ての業を捨てて死ぬことしかねェ……（前例さん）」

「一緒みたいなもんじゃん。怒ることなくね？」

人のこだわりを大事にできないようだ。愚か。

「死ぬンは怖くね〜ケド、死んでも空腹抱えて復活！みたいなのはヤだなァ」

もしかして:ゾンビパニック。

「……そうなのかもな」
どうも前例です

「うーん、そんなこと殺す考えるから、世界終わっちゃうんでしょー。こんな場所でかくれんぼする方が楽しいのに。」

「死にぞこないが多いって？」

「狼！かっこいい～！」

口に出さなくて良かった……

「そうかもな、君は君で純粋なままでいるといい」
「此処は狂気の都市である以前に自由の地だ」
「優しい思想を持つことも"自由"なんだよ」

「ヒマワリの夢は、伺った中でも素敵なものだと思っています。
　できることなら何か協力したいですが、
　ただの子供にできることがあるものか」
拾った種もそれではないようだし。

「飾りでもなく正真正銘のね」「……ふん」

可愛い、と言われまた少し不機嫌になりました。
耳が前を向いては尻尾がゆらりと揺れています。

「じゃ、ケーキと虫は一緒？違うでしょ」

「私はワンちゃんも可愛いから好きですよ」

「ヒマワリの何がそんなに見たいんだか……
　どうせ見るなら俺は海とかの方が見てみたいけどな」

「あれ」「可愛いは、失敗だったかも……」
しょぱ……

「死なないという事もあるんだ、あるよね。うん、あるかぁ…実例が多いもんね…でも、痛いのに死ねなかったら流石に私も怖いかも」

「けえきも虫も一緒やろ……」
天邪鬼は静かにしておいた方がいい。

「犬も狼もかわ……カッコイイじゃん？」

あ、カッコいいと言われると尻尾がぱたたと振られました。
分かりやすい機嫌かもしれません。

「ヒマワリでも海でも商売出来たらいいよ」

儲けられればの話。

「虫ケーキってこと…？」

「死に損ない。そうかもね」
「俺も死んだらそうなるのかな」

「犬も狼も鼠もいいもんダ」

括りが総じて雑！

「海かァ。今ごろ干上がってたりしてナ」

うーん、尻尾は素直なようですね…。
思わず可愛いと言いかけた言葉を飲み込みました。

「そうさ。殺し合いの果に世界はこうなっちまった。
　だからもう遅いのさ。俺達は皆　存在自体を搾取される羽目になっちまってる。
　こんな世界じゃァ、そんな風に楽しいなんて言葉を使えているうちに……
　死んだ方がいいんだよなァ……。」

「喋るわんちゃんさっき曙光にもいたよー。お仲間さんかも。」

「花」「おいしい？」
＊真っ当に見たこともありません＊
＊話に聞いたことはあるくらいです＊
＊貴石に綺麗さという価値も見いだせない以上＊
＊花にも綺麗さなんて求めやしないのです＊

隣で揺れている尻尾が気になる……

気になる……

そーっと手を伸ばして……

「刃マンってちょくちょく正気に戻るよナ。もうちょっと剣チャン押し込んだ方が幸せなんじゃネ」

痛みと聞いて。
あのピンピンしてる人、あれも痛いのだろうか。

そんなよしなしごとをぼんやり。

音楽を聴きながらどこか冷たい目で周りをうろちょろ見渡している

「こだわりなんてそんなもんよ」

「…………」

「…例えマズったかも。想像にはちょっとアレね…」

だって、さ。アレが話題に出してた飯なんて虫かケーキかな印象だったし……

「差し込む深さで狂気を調整できるものなのか…？」

「ケーキは食った事ねえからしらねえ。
……虫みたいなもんなのか？　甘いって聞いてたのにな」

「実物の海を見ることも、とても素敵なことだと思うよ。
　例えどんな姿をしていようともね。

　親からヒマワリの花を教えてもらったときに、
　ヒマワリはとても素敵だってことを教えてくれたからって。
　そういう理由なんだ。」

　だからこそ、実物を見てみたいのだとか。

「そうだな（押し込む）ぎいあああああッ！ぐう！ぐげべ！あびゅ！……殺死殺死……」

ゆら、と顔を出し。

「う～ん……」

何処も人がいっぱいで、戻ってきちゃった。
天気予報は今どきはできないね。

「虫もけえきも、口入れて飲んだら一緒やし」
それ以上はやめておこう！

「けえきは甘すぎて」
「慣れてない貧乏人が食ったら爆発するぞ」
大嘘。

「親御さんから、それは素晴らしいね！青い海、澄み渡った空、そして咲き誇る花、それらは全て今では御伽噺に近いけれど、その中の1つでも見られたら人々の心に希望を与えられそうだよね」

「わぁ………それってもしかして、幸せ？」
刃を深く刺して悲鳴を上げる様子を見ながら、思わずうわぁって声が出た。